(総愛され予定の)悪役令嬢は、私利私欲で魔法界滅亡を救いたい!
 つまり、私はヒロインフローラが、魔法界第二王子エルネストを選んだ場合、彼女の恋路を邪魔する悪役令嬢として登場する、良く乙女ゲーム界隈に居るような高慢ちきで意地悪で嫌味なヒロインフローラを虐める担当の貴族令嬢だったのだ。

 実はエルネストには共に入学した初等部の頃から相手にもされていないのに付き纏っていて、今ではもう挨拶をしたとしても無言で氷の視線を向けられ、何を話しかけても開口一番から「俺にはもう近付くな」と言われてしまうくらいに嫌われてしまっている。

 悪役令嬢ロゼッタはそれほどにまで、第二王子エルネストに執着していた。

 彼から私への好感度を測れば、きっとマイナス100に近いと思う。

 好感度マックスが100なので、これは逆のマックス値……あら不思議。バッドエンドしか見えない。いえいえ。もし、悪役令嬢ロゼッタがこのゲームのヒロインならばという前提だけど。

 ふふふ……いいえ。これって、全く、笑えないよね。他人事のように言っているけど、まぎれもなくこれは私自身のことなんだから。

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