(総愛され予定の)悪役令嬢は、私利私欲で魔法界滅亡を救いたい!

15 美味しくない

 無事に生徒会入りを果たした私は、同時に入った下級生イエルクと食堂で昼食を取っていた。

「……イエルクくんも、私と同じように食事には不満持っていたのね」

 人もまばらな食堂に着いた私たちは、どう考えても味を調えようと考えているとは思えない、肉のかたまりを同時に見下ろしていた。

 ……何をどうしようと思ったら、こんなにも不味く肉を料理出来るの?

「僕はグーフォ地方にある村の出身なので、アクィラの食事には、まだ慣れません。粗食を美徳としているとは聞いていたのですが、まさか……これほどまでとは思っていなくて……」

 そうよねそうよね……わかるぅ……乙女ゲームしている時には、食事シーンとか全然出てこないから、登場するキャラたちが、こんな粗食に耐えているなんて思わなかった!

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