(総愛され予定の)悪役令嬢は、私利私欲で魔法界滅亡を救いたい!
「聞いてください。ロゼッタ先輩。今日ルークさんに偶然会ったんですけど、特別にって、珍しい花の芽を見せてくれたんです!」

 なんと驚くことに、乙女ゲームヒロインのはずのフローラは、攻略対象三人などには目もくれず、アクィラ魔法学園の魔法薬農園の管理を任されている若い庭師のルークに夢中だった。

「そ……そうなの。良かったわね」

 私は既に生徒会室に居るエルネスト、オスカー、イエルクを横目でチラッと確認したけど、三人ともフローラの恋話に対し特に反応はしない。

 この話題に関して、彼女に名指しされているのは私だけだから、それは当たり前なんだけど……各カップル別なラブラブスチルを見てしまっている私は、複雑な気持ちになってしまった。

「ルークさんって、本当に、素敵なんです! だって、今日も私が知らないことをたくさん教えてくださって……あんなにお若いのに、幅広い知識を持たれているし……憧れてしまいます」

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