(総愛され予定の)悪役令嬢は、私利私欲で魔法界滅亡を救いたい!
 それに、好感度を上げるためにはかなり早い段階で好意があることを知らせるけれど、フローラ展開が早すぎだわ。

「ねえ。少し落ち着いて。フローラ……あまり、急がない方が良いわよ。ゆっくり二人の仲を深めることを考えた方が良いわ」

 恋愛もしたことのない耳年増の私がそう忠告すると、フローラは何度か頷いて微笑んだ。

「そうですよね。いつもアドバイスしてくださって、ありがとうございます! ロゼッタ先輩、夏合宿の買い物ってもう済ませましたか?」

「ううん……まだだけど」

 そろそろ買いに行かなきゃとは思っていた私は、フローラの問いかけに首を横に振った。

「私と今日の放課後に一緒に買いに行きましょうよ!」

「え? 別に構わないけど……」

 期末テスト終わりに、すぐに南の島の合宿所に移動するので、それまでにあまり時間もない。

 念のために他の男性三人に確認したけど、私たちと一緒に買い物行こうと思う人も居ないようだった。

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