(総愛され予定の)悪役令嬢は、私利私欲で魔法界滅亡を救いたい!
 なるべく、私とは距離を置いて、あまり話さないようにしている二人を見て優しいと誤解している純粋過ぎるフローラ……お姉さん、騙されないか心配になって来たわ。

「そうね。二人とも優しいから、それを表に出さないだけなのよ」

「そうなんですか……あ。ロゼッタ先輩! ここ、行ってみましょう! 話を聞いて行ってみたかったんです!」

 フローラが突然表情を明るくして指を差したのは、有名な化粧品のお店だった。

「あ。ここ……名前、聞いたことある」

「そうなんです! 最近、話題のお店なんですよ! わー! こんな感じなんですね!」

 とてもウキウキした様子で、私の手を引いてフローラは店内へと入った。

「わー……綺麗……すごい」

 現代にあるデパートなどのディスプレイ顔負けのクオリティで、お店の中は非常に可愛く飾られていた。ハートやリボン、それに、可愛らしいデフォルメキャラ。魔法の力なのか、それが何色にもキラキラと輝いている。

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