王子様の恋人になるお仕事はじめました
第四章 永遠の恋人
アルオニア王子に急遽公務が入ってしまい、社交会に行かないことになった。
わたしは安堵しながらも、今までやってきたレッスンが無駄になってしまったことを残念に思った。
社交会前日。グレースから伝言が届いて、わたしとヴェサリスで社交会に出るよう指示された。
「わたしとヴェサリスさんで⁉︎ 大丈夫なんでしょうか?」
「グレース先生は、リルエさんがどれくらい成長したのか知りたいのです。リルエさんが今までしてきた努力を、社交会で披露しましょう。立派に務めあげ、グレース先生に自慢してやりましょう!」
「いいですね!!」
アルオニア王子は心配してくれて、社交会に出なくても、わたしがしてきた努力は無駄じゃないと励ましてくれた。
今までのわたしなら、それを受け入れただろう。けれどグレース先生の指導を受けて、考えが変わった。
前まではアルオニア王子の恋人にふさわしくないと、引け目を感じていた。でも今のわたしは、アルオニア王子の恋人にふさわしい自分になることを望んでいる。
「グレース先生に鍛えられたので大丈夫です。それに契約ではありますけれど、アルオニア様の恋人として、立派に演じたいのです!!」
王子は、「契約なんて……」と呟いた。
王子の手が伸び、わたしの顔に触れようとする。けれどすんでのところで指が止まり、触れることなく、手を下ろした。
王子は苦しそうに眉を寄せ、黙り込んだ。わたしも、それ以上口を開かなかった。
あと二週間で、恋人の契約が切れる。
その後、わたしたちはどうなるのだろう?
わたしは安堵しながらも、今までやってきたレッスンが無駄になってしまったことを残念に思った。
社交会前日。グレースから伝言が届いて、わたしとヴェサリスで社交会に出るよう指示された。
「わたしとヴェサリスさんで⁉︎ 大丈夫なんでしょうか?」
「グレース先生は、リルエさんがどれくらい成長したのか知りたいのです。リルエさんが今までしてきた努力を、社交会で披露しましょう。立派に務めあげ、グレース先生に自慢してやりましょう!」
「いいですね!!」
アルオニア王子は心配してくれて、社交会に出なくても、わたしがしてきた努力は無駄じゃないと励ましてくれた。
今までのわたしなら、それを受け入れただろう。けれどグレース先生の指導を受けて、考えが変わった。
前まではアルオニア王子の恋人にふさわしくないと、引け目を感じていた。でも今のわたしは、アルオニア王子の恋人にふさわしい自分になることを望んでいる。
「グレース先生に鍛えられたので大丈夫です。それに契約ではありますけれど、アルオニア様の恋人として、立派に演じたいのです!!」
王子は、「契約なんて……」と呟いた。
王子の手が伸び、わたしの顔に触れようとする。けれどすんでのところで指が止まり、触れることなく、手を下ろした。
王子は苦しそうに眉を寄せ、黙り込んだ。わたしも、それ以上口を開かなかった。
あと二週間で、恋人の契約が切れる。
その後、わたしたちはどうなるのだろう?