100の涙の物語
「ごめんね、病院付き合わしちゃって」
私はバス停の前でツカサに謝る。
「全然おっけーよ!寧ろ俺もお見舞い行きたいし」
ツカサは繋いだ手とは逆の左手で、私に向かってピースをした。
時刻表通りに来たバスにのり、2人席に腰を下ろした。
しばらくバスに揺られて、私達は『市立総合病院前』のバス停で降車した。
「そういや、どうなん?ユキの具合」
病院に向かって歩きながら、ツカサは私の親友であるユキの具合を尋ねた。
ユキは2年の時、妊娠が発覚して先月出産したばかりだった。
出血多量で危なかったユキは、1ヶ月間入院する事になってまだ病院生活を送っているみたいだった。
ツカサとも仲良くてリョウスケ先輩と一緒に、4人で遊んだりもしてた。
「詳しいことは聞いてないけど、メールでは、体調もいいし赤ちゃんも可愛いし今度遊び来てね、って言ってたよ」
私はユキからのメールを手短に説明して、病院内に足を踏み入れた。