100の涙の物語
2人肩を並べてエレベーターを待った。
「ミホ?」
聞き覚えのある声が聞こえてきて、後ろを振り返った。
髪をロングからショートに切り、少しだけ大人っぽくなったユキが、そこに立ってた。
「ユキ~っ!」
私は親友との約1年ぶりの再会に興奮を押さえられずに、大きな声を出してしまった。
ハッと気づき、口に手を当てて声を抑える。
「久しぶり~!わ~。ユキだあ!」
私は気持ちを落ち着かせ、ユキとの再会に再び喜んだ。
「久しぶり!本当に来てくれるなんて思わなかったよ。ありがとうミホ。ツカサもありがと」
私は、リョウスケ先輩が亡くなってユキすんごい落ち込んでる、と思ってたから、元気なユキの姿を見て少し安心した。
3人でエレベーターに乗り込み、7階の産婦人科の病棟のボタンを押した。
ユキはすごい幸せそうに、チヅルちゃんの事を話した。
「でね、ちょ~可愛いの!ほんと、目に入れても痛くないってこうゆう事ゆうんだな~って感じ!」
私はユキの手を握り、頑張ったねって、まじ尊敬するよって、目を見て言った。
ユキは照れくさそうに顔を赤らめて、
「ありがと」
って一言言った。