100の涙の物語
「どうしたのボーッとして。何か悩み?」
紅茶とクッキーをテーブルに置きながら、心配そうな目でお姉ちゃんは私を見る。
「悩みってゆうか……。言わなきゃなんない事…」
あのね、その…、となかなか言い出せない私にお姉ちゃんは、
「とりあえず、紅茶飲んでクッキー食べて、落ち着け!」
と言い、ティーカップとお皿を私の方へ差し出した。
食べ物や飲み物を、胃が拒否してるのを感じたけど、せっかくのお姉ちゃんの手作りだから、クッキーを1枚だけ手に取り口に運んだ。
「………っう!」
飲み込んだ瞬間、猛烈な吐き気に襲われ口を手で押さえると、そのままリビングを飛び出しトイレの扉を勢いよく開いた。
数分して私がリビングに戻ると、お姉ちゃんはわけがわからない、という顔をして私を見た。