元貧乏貴族の大公夫人、大富豪の旦那様に溺愛されながら人生を謳歌する!
◇11
「ふぁ〜〜」
今日、変な時間に寝て起きたからか、なんだが逆に眠くなる。もうお風呂に入って寝る時間だからいいんだけどさ。
私が寝室に行くと……
「あ、いた」
「あ、お疲れ様です」
寝室前でばったりエヴァンと遭遇。二人で寝室に入った。
「つっかれた〜〜」
そして、エヴァンはそんな言葉を言いつつベッドにダイブしていた。え、ずるい。
ちらり、とこちらを見て、ニヤリとしていて。
「来るか」
「……えいっ!」
私も、思いっきり隣にダイブした。うん、これはやっぱり気持ちいい。はぁ〜最っ高。ふわふわベッド、いいわぁ。
「手練れだな、さてはやったことあるな?」
「……楽しいじゃないですか」
「それは分かる」
エヴァンだってやったじゃないですか。だから別にいいでしょ。毎日やってるわけじゃないんだし。
「あ、そうそう。俺ら今日起きるの遅かったろ」
「え? あぁ、そうですね」
「使用人達が噂してるぞ。夫婦仲は良好って」
「……」
あぁ、なるほど。そういう事か。でもすみません、おしゃべりして夜更かしして遅寝しただけなんです。
「まぁ間違ってはないからそのままだけどな」
「嘘は言ってませんね」
「と、いうことで仕切り直しするか」
「……マジですか」
「今日もおしゃべり大会するか?」
なんて言いつつ、私の上に覆い被さってきた。何この色気。ヤバい、顔熱くなりそう。
ニヤニヤしてこっちを見てくるってことは、馬鹿にしてるってことよね。でも反論出来ないのが悔しい。
「……お好きにどうぞ」
「じゃあ遠慮なく」
そう言いキスをしてきた。昨日もされたけど、だいぶ緊張してしまう。離されると、両手で顔を包まれていて。
「かーわい」
「……」
そんなことを言われても、私には文句を言う余裕なんてものはこれっぽっちもなかった。
色気ダダ漏れのこの旦那様を目の前にして、正気でいられるわけがない。
とりあえず、恥ずかし過ぎて死にそうになった。