ぽっちゃり年上保育士に心の底から癒されたい
結羽の家

退勤の時間になり、結羽は職員室で休んでいた優に声をかけた。

「じょう先生、病院に行きましょう」

優は鼻血が止まったと思って仕事を始めるとまた出血したりして最後は職員室にいたのだ。

「明日から三連休なのできちんと止めてもらいましょう」

もう診察は終わってるんじゃ?と聞くと電話してるんでとタクシーを呼んでいた。

園から1番近くの耳鼻科に行き受付を済ませる。

19時まで診療している為、待ち合い室は人もたくさんいた。

先生に鼻の中を焼いてもらい診察がおわったのは20時前だった。

「長い時間つき合わせてすみません」

「いえ、全然」

「結羽先生、家はどちらですか?送ります」

「近いので大丈夫ですよ」

「駄目です、危ないです、送らせてください!」

真剣な顔に結羽も素直に送ってもらうことにした。

「子供達にも申し訳ないことをしました…」

「でもそういう行為がいけないことで、じょう先生には悪いですけどいい経験をしたと思います、お互いに」

「結羽先生が朝に怪我をしたのに、あと少し上の枝を切ろうと思ったんですよね、学習しないな、僕は…」

「気持ちはわかります(笑)これから暑くなる前にしたいですよね」

「そう!そう思っちゃって…」

2人は共感して笑い合った。

「あー、結羽先生と話すの楽しいな、腹減りません?ご飯とか食べに行きませんか?」

「確かにお腹は空きましたね、でも…」

「あっ、彼氏とか?」

「いえ、全然私にはそんな人はいないんですけど…」

「だったら…」

「もう、あそこがコーポなんです」

結羽は申し訳なさそうにコーポを指さした。

「あー、思ってたより近かった…」

ぐぅーと優のお腹の鳴る音が聞こえてまた笑いあった。

「あのもしよかったらこの間のビニール袋のお礼もしたいので何か作りましょうか?」

「いいんですか?」

「逆にお口にあうかどうかわかりませんが…」
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