ぽっちゃり年上保育士に心の底から癒されたい
3日目 ドライブ
朝、カチャカチャと食器の洗う音が聞こえて優は目を覚ました。
「いい匂い」
「あっ、じょう先生、起きましたか?」
優は体を起こした。
エプロン姿で優の側に駆けつけると結羽は正座をして「昨日はごめんなさい」と頭を下げられる。
「えーっと何の謝罪ですか?」
「あー、そうですよね、昨日はたくさんありすぎて……そうですね、昨日の事は忘れましょう!」
結羽は自分の手をパチンと合わせた。
「…いやです」
「えっ?」
「嫌です、昨日楽しかったし、ご飯も美味しかったし、結羽先生寝ちゃっても可愛かったし…忘れたくないです!」
優はいやいやと駄々をこねる様に頭を振った。
「じゃあ…まずは朝ごはんを食べましょう」
「いいんですか?」
「もちろんです!持ってきますね」
トイレ借りますと優は下に降りていった。
洗面所で顔も洗わせてもらうとまだ開けられていない新しい歯ブラシが置いてあった。
結羽先生、めっちゃ気がつく人じゃん
優はキュンとした。
「はぁ…会ってまだ3日か?僕…結羽先生に気持ち持っていかれ過ぎじゃね?今までと全く違うタイプの女性が現れたよ、どうする?」
鏡の前で優は自分に問いかける。
ゆっくりと階段を上がって行った。
「洗面所もお借りしました」
「あっ、歯ブラシ使っていいですからね」
「はい、そうだと思いました(笑)」
『いただきます』
2人は手を合わせた。
白米に昨日とは違う具のお味噌汁、鮭の塩焼きに卵焼き、漬物におひたし、豆腐の上には鰹節にしょうがが乗っていた。
「結羽先生、旅館の朝ごはんみたいですよ、豪華すぎ(笑)」
「旅館の朝ごはんがどういうものかわからないんですけど大体我が家では朝はしっかり食べますね…ん?昼も夜もですね、私の場合(笑)」
そっか、農家って言ってたな、力仕事だ。