ぽっちゃり年上保育士に心の底から癒されたい
2人でナビを確認してサービスエリアを出発した。
予定ならあと30分はかからないがさすがのゴールデンウィーク
あまり外に出かけない結羽はノロノロ運転でも見慣れない景色をキョロキョロ見ていた。
「結羽先生っていつから日本酒好きなんですか?」
「20歳ですね(笑)」
「早くないです?っていうか強いって事ですよね?」
「田舎の人って集まりが多くて親とかもよく呑んでたからですかね、誕生日にすぐ呑みました」
「それ、絶対家で20歳前から呑んでたパターンですよね(笑)」
「えー(笑)内緒です!優先生もお強いですね」
「まあ僕は大学の飲み会で鍛えられたパターンですね(笑)」
「サークルとか?」
「サークルも何個か掛け持ちしてますね、あの…暑いですか?エアコンいれましょうか?」
結羽は車に乗ってから片手にハンドタオルをずっと持っていたのだ。
「結羽先生ってよくハンドタオル持ってますよね」
「そうですね、癖というか…」
「話せたりします?最初潔癖症かと思ったんですよ、でも昨日家に入れてくれたし、じゃあ潔癖症じゃないのかなとか考えちゃって」
結羽は手を広げた。
「あのね、手汗が凄いの…」
「手汗?でも手汗って誰でもかくと思うんですけど」
「そうなんだけど少し人とは違うというか…」
結羽は手掌多汗症と言って掌だけに異常な汗をかく病名を優に告げた。
「初めて聞きました…いつ頃からですか?」
「高校の時でしょうか…緊張はもちろんなんですけど特に理由は自分の中ではわからないんですよ」
確か緊張して手汗がやばいとか言ってた彼女もいたな…
汗をかいて手が冷たい印象しかないけど
「はい」
優は右手を真ん中に広げて出した。
「ん?何ですか?」
「手を置いて欲しい」
「っ…ダメです、無理無理、運転中ですし」
ハンドタオルで手をハンドルに戻された。
「えー、残念(笑)結羽先生と手を繋げると思ったのにな」
「そ、そんなこと…じょう先生はそういう事を言っちゃうのはダメです!」
「どうしてですか?」
「女の子はその…勘違いしちゃうので」