ぽっちゃり年上保育士に心の底から癒されたい
日本酒
しばらく会話はなく目的地に到着した。
「運転ありがとうございます、じょう先生」
「いえ、楽しみましょう」
人も多かったが自由に見学出来るルートが出来ていてゆっくり歩いて見て回る。
音声も流れており、パンフレットを入口でもらうと結羽先生はカバンにしまった。
「本当にいいんですか?」
試飲の場所に来ると申し訳なさそうな顔をしている。
「はい、僕は夜に呑むので選んでください」
「選べるかな(笑)」
「何なら何種類か買ってもいいと思いますよ」
「そうですね、滅多に来れないので……いただきます」
試飲している結羽先生は表情豊かで見てるのも楽しかった。
僕はパンフレットを見て結羽先生に話しかける。
「これ、美味しいです」とパンフレットの商品を指さしたものを僕は持っていたペンで印をつけた。
「甘口はどうですか?」
「美味しいです、でも刺身とかなら…」
『辛口』2人で同じ言葉を言い、笑いあった。
「んっ、これ好きかもです」
「あー、スパークリング日本酒ですね」
「呑みやすいです、これは買います!」
少し興奮とアルコールで頬が赤くなってきた結羽
ハンドタオルはしっかり握られていてコップを持つたびに手を拭いている。
試飲を飲み干して販売のコーナーに行くとまずはスパークリング日本酒を手にして優が印をつけた日本酒を探していく。
「とりあえずこの2本にします」
精算を結羽が済ませると荷物をさりげなく持ってくれた。
「ありがとうございます」
「いえいえ、帰りに寄りたい所はありますか?」
「んー、じょう先生は何が食べたいですか?」
「結羽先生の作るものなら何でも、スーパーとか寄ります?」
「じゃあ、お刺身を買って帰りましょうか?」
「いいですね、(笑)」
「えっと、じゃあお魚が新鮮なスーパーに行きたいので近くなったらいいますね」
「わかりました」
帰りはそんなに渋滞でもなくスーパーで買い物をして結羽の家に着いた。
「駐車場停めていいですよ」
「え?借りてるんですか?」
「はい、たまにレンタカーを運転するんです、弟も来る時があるので借りてます、5番に停めていいので」
「わかりました」
荷物を下ろしてくれて優は車を停めに行った。
友達から食事の誘いが入っていたが無理と返事をして結羽の部屋を開けてお邪魔しますと上がっていった。