ぽっちゃり年上保育士に心の底から癒されたい
「じょう先生、お腹は減ってますか?」
「軽く減ってます」
「最初はビールにしますか?」
「いいんですか?」
「もちろんです」
「結羽先生は?」
「呑んじゃうと料理出来ないんで…これで先にどうぞ」
ビールと小松菜のナムルと卵豆腐が出てきた。
「いただきます」
ゴクゴクとビールの炭酸がのどごし良く通っていく。
「旨い!」
ふふふと料理をしながら結羽先生は笑っていた。
「何か手伝いましょうか?って言っても料理は出来ないですけど」
結羽は顔を上げると「ううん、大丈夫ですよ、ゆっくり呑んでいて下さい」と笑顔で答えた。
気持ちだけ受け取っておきますと言いながら酢の物と2本目の缶ビールが出てきた。
何でこの部屋は居心地がいいんだろう…
優は部屋をキョロキョロ見渡した。
少し広めのリビングダイニングの部屋に結羽先生が料理を作ってくれているだけなのに…
結羽の料理の音だけが響いていた。
リズムがあるまな板の音やお鍋や食器の音、何か焼いてる音…次は何の料理が出てくるんだろうというワクワク感
はぁ…俺ってこういう癒しを求めていたのかもしれない
今まで俺の周りにになかったもの…
「ジョー先生?大丈夫ですか?」
「え?」
エプロンのポケットの中からハンドタオルを出し手を拭いてから近くのティッシュを取り頬に当ててくれた。
俺、泣いてた…?
結羽を軽く抱きしめて肩に頭を置いた。
結羽先生は子供をあやすように背中をポンポンとリズム良く叩いてくれた。
「あっ、焦げちゃう!」
結羽は自分の料理を思い出したようで慌てて立っていった。
ぷっ…僕が顔をあげやすいようにしてくれたのかな?
「お待たせしました」
今まで小鉢で色々料理を出してきてくれた結羽だが大皿で3品でてきた。
「一緒に乾杯して食べましょう」
今日買ったスパークリング日本酒を持ってきた。
コップに注いで『カンパーイ』と合わせる。
買って帰ったお刺身と日本酒を呑むと2人は目を合わせて笑いあった。
「旨い!」
「ですね(笑)」
日本酒がもうなくなりそうになるくらいには優は満腹になり呑むペースも落ちてきた。
なんなら酔ってきている…
「はぁ…お腹いっぱいです」
「本当ですか?じゃあ最後のご飯とかは食べれない感じですか?」
「シメ?」
「はい!」