ぽっちゃり年上保育士に心の底から癒されたい
6日目 寂しい記憶
次の日は早番で7時には園に来ていた2人は紫音くんの話を結羽先生から優は少し聞き、あっという間に忙しくなった。
仕事終わりに優は声をかけた。
「結羽先生、紫音くんの話、もう少し知りたいです」
「はい、いいですよ」
「買い物とか行きますか?」
「ううん、明日から実家に帰るから家にあるものを食べますよ」
「あー、そっか、行ってもいいですか?」
「どうぞ、一緒に呑みますか?」
「はい!」
2人は歩いて結羽の部屋に帰ってきた。
30分後には2人で乾杯をしてビールを飲んだ。
「今日暑かったからビールが美味いですね」
「そうですね、私も今日はビールの気分でした」
「明日休みだから結羽先生は呑むかなって(笑)」
「呑みます(笑)」
「一緒に飲みたいです」
「はい、喜んで…あの…」
「ん?」
「昨日の帰り…に…後ろから…」
「あー、結羽先生、頑張ってきたんだなって、愛おしくなっちゃって軽く抱きしめちゃいました」
「正直言うと、嬉しかったです」
「よかった(笑)」
結羽は紫音くんの事を話してくれた。
「紫音くんは予定より早産でどうしても他の園児より出来る事が遅いんですよね、早産だからって皆が遅れるとかはない園児もいますけど…私、児童発達支援士というのも勉強して取得したんですね」
「へぇ、専門の資格もあるんですね、少し興味はあります」
「最近はグレーゾーンの園児も増えてきてるそうなんです」
結羽は田舎の友達の子が実は発達障害があり、とても悩んでいた事を話してくれた。
子供のフォローはもちろんだけど親の気持ちも知りたいし両方の事を考えてあげたいと勉強する気になり資格を取ったらしいのだ。
まだ他の資格も徐々に取得していきたいことを話してくれた。
「勉強熱心ですね」
「そんな事ないです…」
「いいお母さんになりそうですね」
「お母さん…あっ、自分が母親とか考えてなかったです」
「嘘でしょ?」
「だって…今までそういう事を考えた事がなかったからかもしれません」
「結羽先生はとても魅力的ですよ、好きな人とかいなかったですか?」
「…高校生の時はいましたけど…」
結羽は手のひらを出してこれで振られちゃいましたと笑って話してくれた。