ぽっちゃり年上保育士に心の底から癒されたい
遅く起きても朝ごはんはちゃんと食べる。
「卓はおにぎり食べる?」
「いらねー、朝メシ食った」
はーいと結羽は返事する。
全くマイペースな姉ちゃんだぜ。
「なあなあ、サークルクラッシャー?僕が?」
「知らないんですか?そう呼ばれている事」
「知らない、初めて聞いた」
「ちなみに俺は写真部です」
「あっ、僕も」
「僕もじゃないですよ、出てこないじゃないですか、だからさっき会った時、わからなかったんです」
「あー、ちょっと顔出しにくいっていうか…」
「知ってます」
結羽がおにぎりと味噌汁を運んできて、どうぞと言われて「いただきます」と手を合わせておにぎりを頬張った。
「旨いです、いい塩梅」
「はい、ありがとうございます」
卓にはコーヒーが出された。
あちっ、あちいよ姉ちゃんと言うと牛乳を少し入れてくれた。
「先輩目当てで入ってきた女子部員がほとんど辞めちゃって」
「何で?」
「先輩が来ないからにきまってるじゃないですか!」
「友達に合宿だけ出てくれよっていわれたんだよ、だから春と秋の合宿は出てる」
「俺が入部してからの3回!合宿はいませんでした!」
「それはまあ…実習もあったし、仕方ないよ、元カノとかも部員同士ケンカになってしばらく来るなって言われてんだよ、でも学祭にはちゃんと作品は出してるんだよ?」
「はぁ…部長が悪いのはわかりましたし、先輩の女性関係がいい加減なこともわかりました、でも部員は知らされてないですからね、先輩が所属してる事で部員集めをしていた訳ですから、他にもそういうサークルにたくさん入ってますね?」
「うん、頼まれると断れなくていくつか入ってる、基本サッカーなんだよ、僕は」
「だからサークルクラッシャーって呼ばれるんですよ」
「そうなのか…自覚はなかったな」
「お友達の為に入部するなんて、じょう先生は優しいですね、でもじょう先生だけを目当てに入ってサークルって楽しいのかしら?」
「そりゃ、女子から見たらイケメンがいる方がいいだろ?」
「私なら自分の為に料理部とか入るなぁ」
うんうんと優は頷いていた。