ぽっちゃり年上保育士に心の底から癒されたい
「でさ、何で先輩が姉ちゃんとこに泊まってんの?」
「姉ちゃんに癒されたくて…好きだから」
「は?」
「姉ちゃんの手料理と優しさに絶賛癒され中なんだよ」
「姉ちゃん、料理で餌付けしてんの?そりゃ姉ちゃんの料理は旨いけどさ、付き合ってんの?」
結羽は首を振った。
「この人ミスターC大だし、ミスC大とも付き合ってたって噂だぜ?」
「今、フリーだよ」
「噂は本当なんだ、先輩が付き合ったり別れたりするとサークルで女子達が話してるからわかるんだよ、健気に先輩を待ってまだ所属してる女子もいるんですよ」
「それは別に僕のせいじゃない」
「姉ちゃん、先輩は芸能人並みにフォロワーがいるんだぜ」
結羽はポカンとしている。
「あっ、SNSって事?それがどういう事になるの?」
「やってないから事の凄さがわからないバカ姉貴」
「ちょっとー、バカはないでしょ」
丸いほっぺが少し赤くなった。
「それは卓が言い過ぎ(笑)」
「だから呼び捨て!」
「いいじゃん、呼びやすいし、そうだ!卓、俺も実家に連れてってくれないか?」
「はあ?」
「田舎に憧れるんだよ、結羽先生ダメかな?」
「部屋はあるけど…本当に何もないですよ、ねっ、卓」
「店とかはマジで遠いですね」
「ちょっと早いけど学祭用の写真とか撮れるんじゃないの?」
卓はびっくりしたような顔をしていた。
「そっか…確かに景色はいい…学祭の事なんてまだ考えてなかったし、実家の山を撮るなんて思わなかったな」
「それはほら、一応僕は先輩だから(笑)秋までに色々撮りながらいいモノを出品すればいいんじゃないか?」
「秋合宿で撮ればいいと思ってた…」
「そんなみんな同じ様な紅葉を撮ったってつまんねぇじゃん、卓もSNSやってんなら田舎の景色なんて最高じゃね?」
卓の顔が嬉しそうになってきている。
「いいかも、でもカメラ持ってきてないしな」
「俺ん家にはたくさん機材はあるよ」
結羽は2人の話が盛り上がっているので洗い物をしていた。
機材って?と卓は優に聞いていると興味が湧いてきたようで…
「姉ちゃん、先輩連れていこーぜ、車も出してくれるって」
「卓がいいなら(笑)でもあの車は2人乗りじゃなかったです?」
「大丈夫です、機材積むならそれなりの車を出します」
結羽先生は支度をしていて下さいねと言うと1時間後にと言って結羽の部屋を出ていった。