ぽっちゃり年上保育士に心の底から癒されたい
結羽は支度を終えると優の車に乗り買い出しに出かけた。
道の駅は人も多くて生産者コーナーにもたくさんの人が集まっていた。
「あっ、これ、結羽先生のお父さんの作ったものですね」
「そうなの、ここに置かせてもらってるの、他にもスーパーとか、もちろん農協にもね」
「そういえば、卓は農業科って聞いた」
「はい、一応跡取りなので、卓も了解ずみです」
本当は高校出てから手伝うと言ってたが今の農業を勉強してこいってC大学を受けたんですと結羽が話してくれた。
「卓は偉いなぁ、もうやりたい事決めてて」
「じょう先生は保育士がやりたい事じゃないんですか?」
「んー、正直、子供は好きだけど…まだ決めれなくて…乳幼児にとまどってる自分がいます、去年の幼稚園の時は思わなかったですけどね、あと僕も跡取り問題とか色々あって…」
「そうなんですね」
「また徐々に話します(笑)」
「はい、じゃあお肉コーナーに行きましょう!」
実はおじいちゃんはお肉が大好きでーと家族の事を色々話してくれながら買い物をして行った。
チーズケーキが好きなので私が作りますと結羽先生がはりきっていた。
「でも…実はお菓子作りは苦手です(笑)」
「何でも出来るのかと…」
「目分量で出来ないので…」
「結羽先生にも苦手な事があったんですね」
ありますよ〜とにこにこ笑っていた。
買い出しを済ませ家に戻ってきた。
みんなは昼食を食べていて優はお疲れ様ですと挨拶をした。
結羽と優も食事を食べて台所で夕食の準備を始める事になった。
優は包丁の使わない事を結羽に指示されて手伝った。
「結羽先生と作ると料理を作るのも楽しいですね」
「今日は人手がある方が助かります」
「僕でも役に立てて嬉しいです、図々しくお邪魔してるので(笑)」
「あら、優くんは結羽が気に入ってるの?てっきり卓の方と仲がいいと思ってたわ」
お母さんに話が聞こえていたようで…
「結羽先生に先に出会ってて、いいなあと思ってます(笑)」
「あら、嬉しいわ〜、またいつでも来てね」
「はい」
あー、お母さんまでじょう先生の事を気に入っちゃった。
卓とも仲良くなってるし…
「どうしました?結羽先生」
「なんでもないです」
料理の下ごしらえも大体終わり夕方にはおばといとこ達がやって来ておじいちゃんのお祝いをした。