ぽっちゃり年上保育士に心の底から癒されたい
遠足からの想い
「おはようございます、じょう先生」
「おはようございます」
「あの…昨日…」
「あぁ、卓の相談ですか?」
「はい、ご迷惑じゃなかったですか?」
「全然です、友達が田舎から出てくるのでそれの相談でした」
「そうですか…私じゃなくじょう先生になんて…今までじゃ考えられないので」
「男同士の話もあります(笑)気になさらずに」
「あ、ありがとうございます、あの早速ですが親子遠足がもうすぐあります、月末の土曜日なんですけど下見に行きたいんです」
「それはいつですか?」
「今日、これからです」
「はい?」
乳幼児のクラスは園の中で預かるとは聞いていたのだが結羽先生が行く理由がわからないので聞いてみた。
「夢(ゆめ)先生が行く予定だったんですけど今日体調不良でお休みで」
「えーっと何処に?」
「年長組さんなんですけど、焼き物の予定なんですが人数の最終確認が出来たのと何を作るかの相談とか細かい事を…」
電話じゃダメなんだろうか…
まあ夢先生が約束してたんなら訪問しなくてはならない。
「わかりました、でも夢先生がいないのに2人抜けても大丈夫なんですか?」
「これも勉強ですからと園長先生が」
「わかりました(笑)」
エプロンを外し行ってきますと千景先生に告げて2人はやよい保育園前からバスに乗り1度乗り換えて焼き物工房がある場所へ向かったのだ。
近くのバス停で降りたのだが山道を歩かなくてはいけない。
当日は貸切バスで駐車場まで行くらしいのだが今日は結構な距離を歩かなくてはいけない。
「ハアハア…きついですね」
「大丈夫ですか?結羽先生」
「山は登り慣れてますが何でこんなにきついんでしょうか?」
「アスファルトだからですよ」
「あー、なるほど、それにちょっと急ですね」
結羽先生はかなり息切れをしている。
「休憩しましょう、息を整えてください」
「はい、すみません」
結羽はゆっくり息を吸い呼吸を整える。
「こういう時、痩せなきゃって考えちゃうんですよね」
「いや、これはみんなきついですよ、多分僕も明日、ふくらはぎが筋肉痛になると思います」
「じょう先生は優しいですよね」
「普通です、ゆっくり行きましょう」
2人は頑張って工房まで歩いて行き、打ち合わせを終えた。