ぽっちゃり年上保育士に心の底から癒されたい
「帰りは下りなので楽ですね」
結羽は嬉しそうに足を前に出していく。
「わっ、わっ、」
「結羽先生!」
勢いでスピードがあがっていく。
優は結羽の手を掴んだ。
「だめ、汗が」
「大丈夫です」
ギュッと手を握って転げ落ちそうだった結羽をとめた。
「ふぅ…」
「ありがとうございます」
「下りの方が危ないのは山でも一緒ですよ、結羽先生!」
「はい、そうでした、あの…手」
「ダメです、バス停まで繋ぎます」
「でも…」
「僕にはいいんです、前も思ったんですけど紙じゃなければ大丈夫ですよ」
「本当ですか?」
「プリント配布だけ気をつければいいと思います、少しずつ試してみましょう、タオル持ってればすぐに拭けるんですから」
「わかりました」
優はバスに乗っても結局手を繋いでいたのだ。
少し汗ばんだが普通の人と同じですよと言ってくれた。
じょう先生は彼女と手を繋いできてるから普通と言ってくれて結羽は嬉しかった。
保育園前でバスを降りて園に戻ると遅い給食を食べた。
そして5月の最後の土曜日、やよい保育園は親子遠足だった。
コスモス組の乳幼児クラスは土曜日預かりの午前中だけの園児のみで結羽と優だけだった。
園児は3名
「凄いまったりですね、結羽先生」
「はい〜」
「あの、いいお酒手にいれたんですよ、今日行ってもいいですか?」
「はい〜」
「じゃあ1度帰ってから行きますね」
「はい〜」
園児の足で遊んでいた結羽だった。
「こしょこしょ〜」
キャハハと笑い声が聞こえる。
「結羽先生は何人くらい子供が欲しいとかありますか?」
「うーん、こればっかりは授かりものですからね〜じょう先生は?」
「僕は一人っ子なんでたくさん欲しいです」
「そうですか、一人っ子…」
一人っ子なら親に可愛がられそうだけど…まあ事情はわからないからそっとしておかなきゃ