ぽっちゃり年上保育士に心の底から癒されたい
優は次の週から大学に顔を出すようになった。
実習のレポートを作成するためほとんどパソコンルームや図書館で時間を潰し、夕方にはいつもの居酒屋でご飯を食べてマンションに帰る日々
この前、卓と学食で会うと小さな可愛らしい女性といた。
どうやら彼女が出来たらしいのだ。
同じゼミの子でほとんどの授業が被っているらしい。
農業科なので彼女も農業に興味がある事から話がはずんだと話してくれた。
僕の話もたまには聞いてくれよと言うともちろんいつでも!と嬉しそうだった。
そこで、結羽のカードキーを渡してくれたのだ。
「いいのか?卓も姉ちゃんとこに行くだろ?」
「行くけどさ、この前みたいに2人で寝てたらもう行けないよ(笑)」
先輩の方が持ってた方がいいに決まってると卓は言ってくれて、またなと別れた。
「えっ、優、海外に行くのか?」
いつものたまり場の居酒屋で友達に夏休みの予定を聞かれたのだ。
「あぁ、行ってくる」
「何でまた海外に?」
「父親がいてな、進路の相談と結婚の許可を貰うため」
「えっ!」
「結婚!?」
「うん(笑)」
「子供出来たとか?」
「いや」
「彼女いなかったじゃん」
「最近出来た」
「全くいつも早いな」
「まあまあ、でも自分から好きになったし、自分から告白したからさ」
「ほぅ、それは優にはなかった事だな、で、どんな彼女?」
「保育士」
「おまっ、実習!」
「うん(笑)癒されたんだ〜」
「年上?」
「そう、僕はどうやら自分で引っ張るより甘える方が合ってるみたいなんだよな」
「でも、幼稚園の実習の時もLINEは交換した人がいたって言ってただろ?」
「あー、あの人はちょっと合わなくてすぐ別れた、結構グイグイきてくれたけど好きになれなかった」
友達はため息をついていたが僕は話せてスッキリしたのに微妙な顔をしている。
「何でいきなり結婚?まだ俺ら学生じゃん」