ぽっちゃり年上保育士に心の底から癒されたい
「お待たせ〜」
優くんがパスタをリビングのテーブルに持ってきてくれた。
ミートソースがかかってあった。
『いただきます』
「どう?食べれる?結羽ちゃんみたいに美味しく作れないけど」
「美味しいよ、優くん!」
「簡単なものくらいは作ってみようかなって思い始めたんだー」
「うん、私がもし寝込んだらおうどんとかお粥とか作ってくれたら嬉しいな」
「わかった」
優は食べ終わると食器も下げて洗ってくれた。
「今日の夜は食事に行こう」
「うん、優くんがいいんなら」
「19時に予約してあるから18時にここを出るね、それまでゆっくりしよう」
「あっ、うん、決めてたんだね、わかった」
結羽は髪型と髪色を変えていた優の頭を触った。
「どう?似合う?」
優は結羽に膝枕をしてもらった。
少し緩くパーマのかかった茶色の柔らかい髪の毛を優しく触った。
「優くんはこういう色が似合うのかも、顔立ちもはっきりしているしハーフとか、クォーターとか聞かれない?」
「よく言われるよ、まあ実際クォーターなんだよ」
「そうなんだね」
「うん、実は黒髪が染めてた方なんだよ、幼稚園の実習の時にちょっと言われちゃって、だから今回の実習は黒髪にしようって染めた」
「金髪とかじゃなければいいんじゃないの?」
「うーん、まぁ、チャラそうに見えると預ける方も不安だからとか言われたかな」
「古い考えの幼稚園だったんだね」
そうだと思うと優は答えた。
やよい保育園に行って茶髪の先生とかいてびっくりしたと優くんは話してくれた。
「多少は大丈夫だよ、私だって少し染めてるし、何かトーン8くらいまでとか言われてるけどよくわかんないよね」
今の色、とても似合ってると結羽が言うと嬉しそうだった。
気になるのは優くんの海外での事なんだけど……
どう聞こうか考えていたらスースーと寝息が聞こえてきたのだ。
時差の関係かな、うん、寝させてあげよう
結羽もテレビがついていたから見ていると寝てしまっていた。
「結羽ちゃん、ごめん」
「ん?」
結羽は頭を前に倒して寝ていた。
「首が痛いだろ、僕が寝ちゃったから」
結羽はゆっくり頭を上げて、ゆっくり首を回した。