ぽっちゃり年上保育士に心の底から癒されたい
聞いてもいいのかな……
「ご両親、仲が悪いとは思えなかったけど?」
「あー、外では仲がいいって言ったから?」
「うん」
「僕の記憶違いと言うか…さっきもそうだったけど母さんて喋り出すと止まらないというか…」
「言ってたね」
「それが小さい時は怒られてると思っていたらしくて、泣いて父さんに逃げていたらしくて(笑)」
どうやら産後からお母さんは体の調子が悪くてイライラもしていたらしいんだと話してくれた。
それはピアニストとしての忙しさがちょうど産後にきたらしくて幼稚園を機に日本にお父さんと優くんだけ帰ってきたというのだ。
幼稚園の時からは会ってもお母さんが日本に来ている時だけお父さんとコンサートを見に行き楽屋で会う生活だったそうで…
産むんじゃなかったとかも優くんが日本に帰るならそう口に出してしまったらしい。
でもお母さんのピアニストとしての夢を諦めて欲しくなかったお父さんはお母さんと優くんを離す事を決めたんだそうだった。
お父さんは仕事でドイツと日本を行き来していてお母さんとはしょっちゅう会っていたと優くんもこの間知ったばかりだったのだ。
本当は仲が良かったけど優くんにはそれは伝わってなかったと夏休みに3人で会って話せたそうだ。
「僕の事…嫌いで離れた訳じゃなかった、それが今回わかったのはやっぱり結羽ちゃんと出会ったからだよ、親を信じてなかったから僕も本気で人と付き合えなかった、いつか離れていくんじゃないかって今まで他の人との付き合い方が間違っていたかも」
「それって元カノとか」
「そうだけど結羽ちゃんに癒されたいと思ったのは事実だからやっぱり結羽ちゃんがいいんだよ、高校の時はちゃんと自分も好きだった子もいたし付き合ってたけど離れていって、それから本気になれなかった自分もいた」
「優くんもつらかったね」
「カッコばかりつけてたなー、結羽ちゃんには甘えれるのに(笑)」
親に愛されてないから女性と付き合ってもうまくいかないから結婚には向いてないのかとも思って悩んでいたこともあったそうだ。