捨てられた彼女は敏腕弁護士に甘く包囲される
「なんか嬉しそう〜。もしかして彼氏?」
「えっ?えっと、その……お、夫?」
何ていうのが正解?
結婚したんだから、夫で合ってるよね?
「えっ!いつの間に結婚してたの?」
「あ、いや、最近なんだけど」
「もう〜教えてよ〜。びっくりしたじゃん」
「ごめん、急だったのよ」
「急?それってもしかしておめでたってこと?」
結愛ちゃんが私のお腹のあたりをじっと見るので、慌てて「違うよ」とお腹を押さえた。急にドッキリするようなことを言わないでほしい。穂高さんとは利害の一致結婚なんだから、そんなことありえない。
『報酬は莉子さんで』
ふいに思い出されてカアッと体が熱くなった。やだ、何を想像したの、私のバカバカ。
「ふふっ、いろいろ教えてよね。ランチ、このお店でいい?」
「うん。いいよ」
結愛ちゃんに連れられて入ったカフェは、緑に囲まれた町屋風のおしゃれな造りで、どこか懐かしさを感じつつもモダンなインテリアのお店だ。こじんまりとしているのに狭さを感じない、ゆったりとした空間に食欲を誘う美味しそうな香りが漂う。
「素敵なカフェだね」
「でしょ。私のお気に入りなんだ」
結愛ちゃんは嬉しそうに笑うと、チキン南蛮プレートを注文する。私は迷ったあげく、餡かけ豆腐ハンバーグプレートにした。
「ねえねえ、少し交換しない?」
「いいよ」
結愛ちゃんのチキン南蛮を一切れと、私の豆腐ハンバーグの一欠をそれぞれのプレートにのせた。まるで学生の時みたいな感覚に嬉しくなる。
「なんか学生の頃を思い出すね」
「あ!ちょうど私もそう思ってたの。懐かしいね。もう十年くらい前?」
「そんなに?そりゃ莉子ちゃんも結婚するわけだよー」
結愛ちゃんはチキン南蛮を頬張りながら、楽しげに笑った。私も豆腐ハンバーグを口にする。餡の優しい甘みが口いっぱいに広がって幸せな気持ちになった。
「えっ?えっと、その……お、夫?」
何ていうのが正解?
結婚したんだから、夫で合ってるよね?
「えっ!いつの間に結婚してたの?」
「あ、いや、最近なんだけど」
「もう〜教えてよ〜。びっくりしたじゃん」
「ごめん、急だったのよ」
「急?それってもしかしておめでたってこと?」
結愛ちゃんが私のお腹のあたりをじっと見るので、慌てて「違うよ」とお腹を押さえた。急にドッキリするようなことを言わないでほしい。穂高さんとは利害の一致結婚なんだから、そんなことありえない。
『報酬は莉子さんで』
ふいに思い出されてカアッと体が熱くなった。やだ、何を想像したの、私のバカバカ。
「ふふっ、いろいろ教えてよね。ランチ、このお店でいい?」
「うん。いいよ」
結愛ちゃんに連れられて入ったカフェは、緑に囲まれた町屋風のおしゃれな造りで、どこか懐かしさを感じつつもモダンなインテリアのお店だ。こじんまりとしているのに狭さを感じない、ゆったりとした空間に食欲を誘う美味しそうな香りが漂う。
「素敵なカフェだね」
「でしょ。私のお気に入りなんだ」
結愛ちゃんは嬉しそうに笑うと、チキン南蛮プレートを注文する。私は迷ったあげく、餡かけ豆腐ハンバーグプレートにした。
「ねえねえ、少し交換しない?」
「いいよ」
結愛ちゃんのチキン南蛮を一切れと、私の豆腐ハンバーグの一欠をそれぞれのプレートにのせた。まるで学生の時みたいな感覚に嬉しくなる。
「なんか学生の頃を思い出すね」
「あ!ちょうど私もそう思ってたの。懐かしいね。もう十年くらい前?」
「そんなに?そりゃ莉子ちゃんも結婚するわけだよー」
結愛ちゃんはチキン南蛮を頬張りながら、楽しげに笑った。私も豆腐ハンバーグを口にする。餡の優しい甘みが口いっぱいに広がって幸せな気持ちになった。