頑張れ、食堂委員会
「はーい。それじゃあ、時田兄が冷静さを取り戻したところで、新メニューを決めるぞー」
手を叩き、俺達委員を注目させ、草壁先生はやっと先生らしいことを言った。
「まず、ここ重要だぞー。土曜日の牛乳のおやつは小魚アーモンド、またはミル○ークコーヒーに決定!」
チョークで殴るようにメニューを書いて、草壁先生はばんっ、と黒板を叩いて主張した。
前言撤回。
やっぱり、先生らしくなかった。
草壁先生……あなたは子供ですか……。
怒りを通り越して、俺は呆れ果てて大きく溜め息を吐いた。
司会進行は委員長の俺がすれば良かった。
後の祭りだが、俺はそう思った。
理不尽な決定とはいえ、委員長の俺が進行役を務めておけば、草壁先生の強行を止められたものを……!
そんなことを考えていたのが通じたのか、紅葉が俺の肩をポンと叩いた。
隣を見ると、紅葉も何度も頷いている。
どうやら紅葉も同じことを思っているらしい。
俺は理不尽な決定とはいえ、委員長として今、何が出来るかを考えてみた。
そして、考えてみたことを提案してみる。
「はい、それじゃあ、多数決をしようか。草壁先生の提案に賛成の人は挙手!」
俺は草壁先生の強行を阻止するべく、立ち上がって他の委員達に向かって問いかけてみた。
委員達は誰も手を挙げず、静まり返った。
「それじゃあ、反対の人は挙手!」
結果は分かっているが、一応、問いかけてみた。
俺を含め、委員全員が手を挙げた。