ルイーズの献身~世話焼き令嬢は婚約者に見切りをつけて完璧侍女を目指します!~
「ルーちゃん、ありがとう。リリーの顔が昨日とは全然違う」

レアに微笑み頷くルイーズは、レアの後ろに控えていたメアリーに視線を合わせた。

「メアリーさん、廊下にいる二人を呼んできてもらえますか」
「かしこまりました」

リオンが廊下から部屋に入ってくると、リリーの側に駆け寄った。ルイーズは、その場から離れてドア付近にいるリアムの所に歩み寄った。

「リアム、ありがとう」
「姉上、お疲れさまです。僕もお役に立てたようで良かったです」

顔を見合わせ頷き合う二人は、近くにいるレアに声を掛けた後、リリーの部屋を後にした。廊下に出ると、リアムが小声でルイーズに何かを話している。

部屋に戻ると、リアムからソファーで待つように言われたルイーズ。少し経つと、隣の部屋から小さな封筒を持ったリアムがこちらに戻ってきた。

「姉上、父上からです。これを読んでください」

封筒を渡されると、封を開けて手紙を取り出す。手紙は厚みからして二、三枚あるだろうか。

「何故、手紙なのかしら……?」
「父上は、直前まで姉上に伝えるべきか迷っていたそうです」
「……そう」
ルイーズは、リアムに聞きたいことが沢山ありそうだが、一先ず手紙を読み始めたようだ。
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