ルイーズの献身~世話焼き令嬢は婚約者に見切りをつけて完璧侍女を目指します!~
ルイーズの能力
「手紙には、ブラン家に生まれた者がまれに持つ〈特殊な能力〉について書かれていました。その能力は、ブラン家に代々伝わってきた〈浄化の力〉と、東の国出身の曾祖母からもたらされた〈邪気払いの力〉です。
祖父母、父母の代をまたいで、カルディニア王国に嫁いできた曾祖母の〈邪気払い〉の力が、私に最も引き継がれたのではないか。
その力によって、生来ブラン家にあった〈浄化の力〉が強化された状態で私に発現したのではないかと。
もし私の周りで妙なことが起きた際は、私が持つ能力に起因しているのかもしれない、というのが祖父と父の見解として書き添えられていました。
今朝、妹さんの手に触れたとき、手の平から重い澱みを感じました。その時、私の身体は拒絶反応を起こしたのです。それは明らかに、病気などではなく……体内に沈む澱(おり)が原因だと思います」
「…………」
沈黙する一同。
室内が静まり返る中、リオンがルイーズに尋ねた。
「やはり、リリーの状態が少し落ち着いたのは、ルイーズ嬢のおかげであったのだな。もしかして、それで世話をしたいと?」
「あの時は、自分の力については何も知りませんでした。ただお傍でお世話をさせてほしい。その思いだけでした」
「……ありがとう。その厚意に甘えて、リリーのことお願いしても良いだろうか」
「はい、もちろんです」
祖父母、父母の代をまたいで、カルディニア王国に嫁いできた曾祖母の〈邪気払い〉の力が、私に最も引き継がれたのではないか。
その力によって、生来ブラン家にあった〈浄化の力〉が強化された状態で私に発現したのではないかと。
もし私の周りで妙なことが起きた際は、私が持つ能力に起因しているのかもしれない、というのが祖父と父の見解として書き添えられていました。
今朝、妹さんの手に触れたとき、手の平から重い澱みを感じました。その時、私の身体は拒絶反応を起こしたのです。それは明らかに、病気などではなく……体内に沈む澱(おり)が原因だと思います」
「…………」
沈黙する一同。
室内が静まり返る中、リオンがルイーズに尋ねた。
「やはり、リリーの状態が少し落ち着いたのは、ルイーズ嬢のおかげであったのだな。もしかして、それで世話をしたいと?」
「あの時は、自分の力については何も知りませんでした。ただお傍でお世話をさせてほしい。その思いだけでした」
「……ありがとう。その厚意に甘えて、リリーのことお願いしても良いだろうか」
「はい、もちろんです」