ルイーズの献身~世話焼き令嬢は婚約者に見切りをつけて完璧侍女を目指します!~
「ルーちゃんの御祖父様と御父様……、すごいわね。宝石について、どうやって調べたのかしら?」

「曾祖母の生家が、神職を代々継承している家系なのです。祖父は、生家の代表者の役割についている従兄弟を頼りに、情報を集めて調べたそうです」

「東の国……神職、聞いたことがあるわ。こちらでいうところの聖職者のことよね」

「はい、そうです。この木箱も、その従兄弟から譲り受けたものだそうです」

「そう……それだけ扱いには気をつけないといけない、という事よね」

ルイーズは、興味が尽きない様子のエマに頷き返した。
エマがルイーズから木箱を受け取り、皆と見ている間にエリーがルイーズに歩み寄った。

「ルイーズ。朝から大変だったわね、お疲れさま。私も何かできる事があれば手伝うわ」
「エリー、ありがとう。それなら、妹さんのお世話を手伝ってくれるかしら?」
「もちろんよ!」

緊張に包まれていたルイーズの心も、エリーとの会話で気持ちが穏やかになったようだ。
目を合わせて微笑む二人を見ながら、リアムがルイーズを呼ぶ声が聞こえた。

「姉上」
「リアム、どうしたの?」
「妹さんの部屋を確認するお話はされなくてよろしいのですか?」
「……そうだったわ。リアム、ありがとう」
「いえ、良いのです。先ずは、話しを先に進めましょう」

ルイーズはリアムに頷き返しながら、リオンと視線を合わせた。

「リオンさん、妹さんの部屋の中を確認させていただいても良いですか?」
「もちろんだが……、何かあったら大変だ。自分もついて行こう」
「……よろしくお願いします」

リオンは、自身の後ろに控える側近に何やら伝えると、ルイーズとリアムを伴い、リリーの部屋に向かった。
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