ルイーズの献身~世話焼き令嬢は婚約者に見切りをつけて完璧侍女を目指します!~
心の傷
二人の叫び声を聞いたリオンは、急いで部屋の中に駆け込んだ。
視界にレアとリアムを捉えると、その近くには床に倒れているルイーズがいた。
驚いたリオンは、すぐさま駆け寄りルイーズを抱きしめた。
「何があった⁉」
リオンがレアとリアムに問うも、床に膝を突き、困惑した表情の二人は首を横に振るだけで、理由が分からないようだ。
「リオン、床にぬいぐるみが落ちてる。多分、それが原因じゃないのか。とにかく今は、ルイーズ嬢を横にしてやったほうが良い。俺は、急ぎ医者を連れてくる」
ブライスはリオンに言葉を投げると、急いで部屋を出て行った。
リオンはルイーズを抱きしめたまま、レアとリアムにぬいぐるみには触れないように伝えると、急ぎ足で自分の部屋に向かった。
その頃、エマとエリーは自分たちにも手伝えることはないかと、リリーの部屋に向かって廊下を歩いていた。そんな二人の目の前を、急いだ様子のリオンが通り過ぎた。二人は、リオンに抱えられたルイーズを見て、驚き声を掛けるも、リオンには聞こえていないようだ。二人は、返事をしないリオンに不安になると、リリーの部屋へと急ぎ向かったようだ。
二人がリリーの部屋に到着すると、開かれたままのドアからは、リリーの背中を擦るレアと、大きな布を何かに被せているクロードとリアムの姿があった。
「レアさん、リオンくん、何があったの? 今、リオンさんがルイーズを抱えて急いでどこかに向かって行ったわ。ねえ、ルイーズに何があったの!」
「エリー落ち着きなさい! 心配なのはわかるけど、この状況を見なさい」
「あ……、ごめんなさい」
「エマさん、エリーさん。姉上が倒れました。おそらく、ここにあるぬいぐるみが関係してると思います。リオンさんは、…誰も触れないようにと言って、姉を部屋に連れて行きました。それから……ブライスさんが…お医者様を連れてきてくれるって……」
気丈に振る舞っていたリアムだが、姉を心配するあまり不安になったのだろう。そんなリアムをエリーが抱きしめた。
「リアムくん、ごめん。よく頑張ったね。後でルイーズのところに行こうね」
俯きながら、何度も頷くリアム。二人とも、泣きそうな顔をしている。そんな二人を見ていたエマが振り返ると、レアとリリーを見つめた。
視界にレアとリアムを捉えると、その近くには床に倒れているルイーズがいた。
驚いたリオンは、すぐさま駆け寄りルイーズを抱きしめた。
「何があった⁉」
リオンがレアとリアムに問うも、床に膝を突き、困惑した表情の二人は首を横に振るだけで、理由が分からないようだ。
「リオン、床にぬいぐるみが落ちてる。多分、それが原因じゃないのか。とにかく今は、ルイーズ嬢を横にしてやったほうが良い。俺は、急ぎ医者を連れてくる」
ブライスはリオンに言葉を投げると、急いで部屋を出て行った。
リオンはルイーズを抱きしめたまま、レアとリアムにぬいぐるみには触れないように伝えると、急ぎ足で自分の部屋に向かった。
その頃、エマとエリーは自分たちにも手伝えることはないかと、リリーの部屋に向かって廊下を歩いていた。そんな二人の目の前を、急いだ様子のリオンが通り過ぎた。二人は、リオンに抱えられたルイーズを見て、驚き声を掛けるも、リオンには聞こえていないようだ。二人は、返事をしないリオンに不安になると、リリーの部屋へと急ぎ向かったようだ。
二人がリリーの部屋に到着すると、開かれたままのドアからは、リリーの背中を擦るレアと、大きな布を何かに被せているクロードとリアムの姿があった。
「レアさん、リオンくん、何があったの? 今、リオンさんがルイーズを抱えて急いでどこかに向かって行ったわ。ねえ、ルイーズに何があったの!」
「エリー落ち着きなさい! 心配なのはわかるけど、この状況を見なさい」
「あ……、ごめんなさい」
「エマさん、エリーさん。姉上が倒れました。おそらく、ここにあるぬいぐるみが関係してると思います。リオンさんは、…誰も触れないようにと言って、姉を部屋に連れて行きました。それから……ブライスさんが…お医者様を連れてきてくれるって……」
気丈に振る舞っていたリアムだが、姉を心配するあまり不安になったのだろう。そんなリアムをエリーが抱きしめた。
「リアムくん、ごめん。よく頑張ったね。後でルイーズのところに行こうね」
俯きながら、何度も頷くリアム。二人とも、泣きそうな顔をしている。そんな二人を見ていたエマが振り返ると、レアとリリーを見つめた。