ルイーズの献身~世話焼き令嬢は婚約者に見切りをつけて完璧侍女を目指します!~
その頃の執務室では……
「待たせたな、キース。手紙を送って間もないのに、随分早かったな」
「あんな手紙が送られてきたら、来ないわけにはいかないだろう。一人だし、夜通しで馬をとばしてきたんだ。手紙を読んだアレックスも辺境に行くと騒いだが、連れてくるわけにはいかないからな」
「側近のお前が、離れても大丈夫だったのか?」
「護衛も沢山つけてるし、アレックスは大丈夫だ。それに……今は王都より、辺境の方が危険だ。宝石も見つかったしな、まだ何が起こるかわからない」
「ああ、確かにな……宝石だが、ルイーズの話では赤い宝石は見当たらなかったそうだが、ぬいぐるみの首に付いているリボンから、嫌な感じがしたそうだ。
おそらくだが……、今回宝石を使ってリリーを狙った犯人は、一人しか考えられない……」
「隣国か? しかし、理由が分からない。何故、いちばん無害そうなリリーを狙ったんだ」
「レアの話では、『兄妹の中で一番母上に似ている』からだそうだ」
「なんだ、その理由は……もしかして、身内か?」
「…………自分が嫁いでくるはずだった、と言っていたそうだ」
「リオン、親父殿の遠征帰還のパーティーを開くそうだ。お前が帰省することを伝えてすぐに決まったようだぞ」
「ブライス、それは誰に聞いたんだ? 俺は何も聞いていない」
「ロバートが、ぎりぎりに伝えるように指示されていたらしい」
「ブライス……ロバートって、執事のロバートのことか? ここに到着したとき不在だったが、何故クレメント家に忠誠を誓っている者が、そんな奴の指示を聞くんだ」
「キース、ロバートは記憶が曖昧だそうだ。今、クロードとブライスに交代で話を聞いてもらっているんだが、話しが噛み合わないときが多いそうだ。半月前にリリーの乳母が休み始めてから、リリーを心配して何度も部屋に行っていたそうだ。多分、宝石の影響を受けたんだろう」
「…………許せないな」
「パーティーなんて出たくわないが、いい機会だ。そこで決着をつける」
「そうだな」
「ああ、協力するよ」
「待たせたな、キース。手紙を送って間もないのに、随分早かったな」
「あんな手紙が送られてきたら、来ないわけにはいかないだろう。一人だし、夜通しで馬をとばしてきたんだ。手紙を読んだアレックスも辺境に行くと騒いだが、連れてくるわけにはいかないからな」
「側近のお前が、離れても大丈夫だったのか?」
「護衛も沢山つけてるし、アレックスは大丈夫だ。それに……今は王都より、辺境の方が危険だ。宝石も見つかったしな、まだ何が起こるかわからない」
「ああ、確かにな……宝石だが、ルイーズの話では赤い宝石は見当たらなかったそうだが、ぬいぐるみの首に付いているリボンから、嫌な感じがしたそうだ。
おそらくだが……、今回宝石を使ってリリーを狙った犯人は、一人しか考えられない……」
「隣国か? しかし、理由が分からない。何故、いちばん無害そうなリリーを狙ったんだ」
「レアの話では、『兄妹の中で一番母上に似ている』からだそうだ」
「なんだ、その理由は……もしかして、身内か?」
「…………自分が嫁いでくるはずだった、と言っていたそうだ」
「リオン、親父殿の遠征帰還のパーティーを開くそうだ。お前が帰省することを伝えてすぐに決まったようだぞ」
「ブライス、それは誰に聞いたんだ? 俺は何も聞いていない」
「ロバートが、ぎりぎりに伝えるように指示されていたらしい」
「ブライス……ロバートって、執事のロバートのことか? ここに到着したとき不在だったが、何故クレメント家に忠誠を誓っている者が、そんな奴の指示を聞くんだ」
「キース、ロバートは記憶が曖昧だそうだ。今、クロードとブライスに交代で話を聞いてもらっているんだが、話しが噛み合わないときが多いそうだ。半月前にリリーの乳母が休み始めてから、リリーを心配して何度も部屋に行っていたそうだ。多分、宝石の影響を受けたんだろう」
「…………許せないな」
「パーティーなんて出たくわないが、いい機会だ。そこで決着をつける」
「そうだな」
「ああ、協力するよ」