ルイーズの献身~世話焼き令嬢は婚約者に見切りをつけて完璧侍女を目指します!~
「良いじゃない、リオン。お願いすれば。ルーちゃんなら信用できるでしょう?」

「ああ、信用はしているが…………シオン、侍女の取り調べは終わったのか?」

「終わったよ。吐かないから、自白剤飲ませたら、聞いていないことまで話してくれたよ」

「そうか。叔母とキャサリンも客室に入ったようだ。明け方までには片付ける」

頷き部屋を出ようとしたシオンは、振り向きざまに「もっと頼りなよ」と言い残し、その場を後にした。
「すまない。リリーの世話を任せても良いだろうか?」

ルイーズは、「任せてください」と返事を返すと、リオンに何かを尋ねているようだ。

「リアムが一人だと心配なので、夜はこの部屋に一緒にいることを許してもらえますか?」
「もちろんだ。しばらくの間は一人にならないように、是非そうしてほしい」
「ありがとうございます。では、分担などはメアリーさんに相談させていただきますね」
「わかった。でも、無理だけはしないでくれ」

ルイーズは、頷き返すと急いでリリーの側に駆け寄った。部屋に戻ってからも気がかりだったのだろう。顔色の変化や髪が濡れてはいないか、着替えた寝間着は快適そうかなど、全てを確認するとリリーの手に自分の手を重ねて寄り添った。

その様子を見ていたリオンに、リアムが近づき話し掛けた。

「リオンさん、忙しいんですよね。ここは姉と僕に任せて、シオンさんのところに行ってください」
「リアムありがとう。そうさせてもらうよ。この部屋にもすぐに護衛はつけるが……。二人を…よろしく頼む」
「はい」

二人のことをリアムに任せ、リオンは急ぎシオンの所へ向かったようだ。
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