ルイーズの献身~世話焼き令嬢は婚約者に見切りをつけて完璧侍女を目指します!~
ルイーズの願い
屋敷へ戻ったルイーズは、ルーベルトの執務室へ続く廊下を歩いていた。その表情からは、緊張しているのが感じ取れる。きっと進路の話をするのだろう。ドアをノックして、部屋の中に入ったルイーズは、ルーベルトに声を掛けた。
「お父さ「待ってくれ!」ま……」
「トーマス! 直ぐにエイミーを連れてきてくれ!」
ルーベルトは、ルイーズの言葉を遮ると、トーマスにエイミーを呼びに行かせた。そのままルイーズにソファーへ座るように勧めると、自身は机の周りを行ったり来たりと落ち着かない様子だ。二人の間に沈黙が続く中、執務室にはエイミーとトーマスが来たようだ。
「あなた、何事ですか?」
「急に呼び出して悪かった。恐らく、正気の沙汰ではいられない気がするんだ」
「そう…ですか。ルイーズどうかしたの?」
エイミーが、ルイーズに声を掛けた。
「進路のことでお話があります」
「そう。あなた、話を聞いてあげてくださいな」
エイミーに言われると、ルーベルトは黙ったままソファーに腰掛けた。
「今日、教員のマノン先生から、首席での卒業が確定したこと、そして王宮への推薦状が渡されることを伝えられました」
「ルイーズ、おめでとう! 貴女は本当に頑張っていたものね」
「お母様、ありがとう」
「それで、何か迷っていることがあるのかしら?」
「はい。王宮への推薦は、心惹かれるものでしたが、辞退したいと思っています」
それまで黙って二人の話を聞いていたルーベルトが口を開いた。
「何故、辞退するんだ? 心惹かれるなら、推薦状はもらっておいたほうが良い。働きたいと思っていても、誰しもが働ける職場ではないんだぞ」
「はい。ありがたい話だと思っています。でも、卒業後は侍女として、クレメント家の御息女にお仕えしたいと思っています」
「お父さ「待ってくれ!」ま……」
「トーマス! 直ぐにエイミーを連れてきてくれ!」
ルーベルトは、ルイーズの言葉を遮ると、トーマスにエイミーを呼びに行かせた。そのままルイーズにソファーへ座るように勧めると、自身は机の周りを行ったり来たりと落ち着かない様子だ。二人の間に沈黙が続く中、執務室にはエイミーとトーマスが来たようだ。
「あなた、何事ですか?」
「急に呼び出して悪かった。恐らく、正気の沙汰ではいられない気がするんだ」
「そう…ですか。ルイーズどうかしたの?」
エイミーが、ルイーズに声を掛けた。
「進路のことでお話があります」
「そう。あなた、話を聞いてあげてくださいな」
エイミーに言われると、ルーベルトは黙ったままソファーに腰掛けた。
「今日、教員のマノン先生から、首席での卒業が確定したこと、そして王宮への推薦状が渡されることを伝えられました」
「ルイーズ、おめでとう! 貴女は本当に頑張っていたものね」
「お母様、ありがとう」
「それで、何か迷っていることがあるのかしら?」
「はい。王宮への推薦は、心惹かれるものでしたが、辞退したいと思っています」
それまで黙って二人の話を聞いていたルーベルトが口を開いた。
「何故、辞退するんだ? 心惹かれるなら、推薦状はもらっておいたほうが良い。働きたいと思っていても、誰しもが働ける職場ではないんだぞ」
「はい。ありがたい話だと思っています。でも、卒業後は侍女として、クレメント家の御息女にお仕えしたいと思っています」