ルイーズの献身~世話焼き令嬢は婚約者に見切りをつけて完璧侍女を目指します!~
 ついに、待ちに待った侍女科への初日。
 学院に到着後、淑女科とは別棟にある侍女科の事務室に向かったルイーズ。ちょうどそこに、エリーも来たので、二人で事務室の中に入った。

 二人は事務室にいた教員達に挨拶をすると、教員達もその場で自己紹介をしてくれた。淑女科とは全く違う雰囲気に少し戸惑うも、二人はすぐにその空気感を受け入れた。その時、部屋の奥にいた女性が二人に近づき話かけた。

「初めまして。主に実務を担当しているマノンと言います。教員たちの紹介でも驚いたでしょうが、侍女科では、生徒だけでなく、教員にも平民がおりますので、お二人のことも名前で呼ばせていただきます。何か疑問があれば、直ぐに聞いてください。それでは教室に案内しますね」

 彼女の言動から、少し厳しそうにも見えるが、面倒見の良さそうな教員だ。

 歩き出すマノンの後ろを、ついていくルイーズとエリー。

 一年生の教室前に着くと、教室に入るマノン。二人にも、それと同時に中へ入るように促される。

 マノンが生徒たちに二人を紹介すると、先ほどの事務室と同じように、生徒も次々と自己紹介をしていく。

 展開の速さに付いて行くのが必死なルイーズとエリー。淑女科と侍女科の違いを、ひしひしと感じている二人も、皆に後れを取るまいと、すぐさま挨拶をする。

 挨拶の後は座学の授業を受け、休憩時間にはクラスメイトと会話をして、少しだけ打ち解けたようだ。

 二人は、初日を無事に終えることが出来て、ほっと胸を撫でおろした。

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