ルイーズの献身~世話焼き令嬢は婚約者に見切りをつけて完璧侍女を目指します!~

Lノート

 侍女科にきてから半年ほどの月日が流れ、新しい環境にもようやく慣れてきたルイーズ。まだ学ぶことは山ほどあるが、一つ一つ学んだことを身につけて、確実に自分のものにしているようだ。こんな順調に進んでこれたのも、先生や友人たちの協力があってこそだとルイーズも思っているのだろう。

 ルイーズは、今までLノートに書き綴ったページを見返していた。

 最新のページに目を留めると、合同授業のお茶会での出来事を思い出しているようだ。
 お茶会では、自分が淹れる紅茶の味に納得ができず、給仕当番を外してもらった。背中を押してくれたエリーとクレア、そしてミアの三人にも断りを入れたのだ。

「私って、頑固なのかしら……。こだわりって言えば聞こえは良いけど、侍女になったらそんなことは言ってはいられないわよね。丁寧に迅速に、作業をこなしたいとは思うけど……」

 侍女の仕事は、限られた時間内にこなさなければいけない作業も多い。しかし、ルイーズとしては〈適当なものは出したくない〉というこだわりが強いのだろう。

「三人は、香りも味も良いって言ってくれたわ……。それから、味の好みは人それぞれだとも言っていたわね。これからは、一つの味に拘らず、色々な味も知るべきよね。それに慣れてきたら、茶葉のブレンドも上手にできるようになりたいわ。それから……、あの時は、実践の場で試す機会を逃してしまったわね。……次こそは、必ず行動しましょう」

 普段ならば当たり前のように思えることでも、没頭していると気づきにくいこともあるようだ。

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