ルイーズの献身~世話焼き令嬢は婚約者に見切りをつけて完璧侍女を目指します!~
 ルイーズとエリーにとっては、思いつきもしない内容だったようだ。二人とも俯きながら考え込んでいる。それから数分後、ルイーズが顔を上げてエリザベスに尋ねた。

「二つほど伺ってもよろしいでしょうか?」
「ええ、どうぞ」

「まず、その活動は私たちにもできる事なのでしょうか? それから、先輩方の後を引き継ぐ予定の方々にお話しされない理由は何でしょうか?」

「この活動は、二人にもできる事よ。それに協力してもらえるなら、外部の方々との関わりは増えるけど、心配しないでほしいの。私たちの活動は、学院長と淑女科の一部の先生、それから修道院長もご存じよ。何か困ったことがあれば、私たち以外にも頼れる人たちがいるわ。だから安心してほしいの。それと……、生徒会を引き継ぐ予定の後輩たちだけど、メンバーの人数が増える予定なの。でも、この活動内容はなるべく少人数に留めたいと思っているの。そこで、卒業後も頻繁に連絡を取り合うことが可能な二人に、お願いしたいと思ったのよ」

 エリザベスの返答を聞いたルイーズは、エリーを見つめながら無言の確認を取る。ルイーズの表情から、気持ちが固まったことを察知したエリーは、小さくため息を吐きながら頷いた。

「私たちに何ができるのか、まだ分かりませんが。そのお話、お引き受けいたします」

「ルーちゃん、ありがとう。エリーも良いのね」

 エマの問いかけに、頷きながら短い返事を返すエリー。

「良かったわ。それでは早速、修道院に行きましょう。いつが良いかしら」

「できれば、長期休暇前に頼む」

 それまで黙って話を聞いていたレアが、エリザベスの提案にすぐさま答えた。
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