ルイーズの献身~世話焼き令嬢は婚約者に見切りをつけて完璧侍女を目指します!~
「修道院ですか」

 疑問に思ったルイーズが聞き返すと、エリザベスが答えた。

「ええ、二人はまだ修道院長にお会いしたことはないわよね。これからお会いすることも増えるから、前もってご挨拶しておきましょう」

「分かりました。その時はよろしくお願いします」

「ありがとう、こちらこそよろしくお願いするわ」

「よろしくたのむ」

 ルイーズとエリザベス、そしてレアの三人はお互い顔を見合わせて握手を交わした。そんな三人から少し離れたところでは、エリーとエマが何やら小声で話している。

「三人の行いは素晴らしいと思うわ。でも、ルイーズを危険が伴うようなことに巻き込まないでほしいの」

「危険が伴うことはないわ。それに、エリーも何となく気づいているのでしょう。ルーちゃんもこの問題の影響を受けていることに。ルーちゃん自身が動くことで、どんな影響を受けたのか分かるかもしれない。だから、エリーはあの場で反対しなかったし、ルーちゃんの意志に任せたほうが良いとも思ったのよね」

 エマに言われたことは図星なのだろうか。何も言い返せないエリー。

「そうね、エマちゃんの言う通りよ。でも、強引には動かないでほしいの。心にどんな負担が掛かるか分からないわ」

「わかったわ。ルーちゃんの様子を見ながら動くから、そんなに心配しないで、エリー」
納得したのか、エマに頷き返すエリー。

 その時、その場を仕切るようなエリザベスの声が聞こえてきた。

「それでは、次は修道院への挨拶のとき集まりましょう」

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