ルイーズの献身~世話焼き令嬢は婚約者に見切りをつけて完璧侍女を目指します!~
「今聞いたお話ですが、私の祖父や祖母、その他の家族は知っているのでしょうか?」

 ルイーズの質問にはイリスが答えるようだ。

「お祖父様とお祖母様は、ご存じのことも多いかもしれないわ。他のご家族は分からないけど、ルイーズちゃんに変化があったのなら、お父様やお母様も何かお気づきのことがあるのではないかしら。お家の事に関しては、直接お聞きしてみると良いわね」

「はい、両親に確認してみます……それから、目の色が変化したことですが、自分では変化したということにも気付きませんでした。そんなことってありますか? 毎日見ている自分の顔の変化に気づかないなんてことがあるのでしょうか? 私、何か忘れていることがあるのかしら……」

「ルーちゃん、不安にさせてごめんなさい。目の色の変化については、まだ情報が足りなくて明確な答えを言うことができないの。初めは、家族の特性や環境的な影響があったのかと思って調べたけど、決定的な答えは見つからなかったわ」

「そうですか……でも、教えていただきありがとうございます。自分のことなのに、これまで何も知らずに過ごしてきたなんて……、教えていただいたこと、本当に感謝します」

 ルイーズの顔色が、少し悪くなってきたことを心配したイリスは、ルイーズに声を掛ける。

「ルイーズちゃん、貴女は身勝手な大人の問題に巻き込まれただけなの。本来なら、こんなことで思い悩むことなんてないのよ。ご家族の皆さんも、貴女がただ健やかに、毎日の生活を営むことを望んでいると思うわ」

「ありがとうございます」

「本当に良く似ているわ。貴女のお祖父様もとても清廉な方で、近くにいると皆が穏やかな気持ちになれるような……、とても不思議な方だったわ。ルイーズちゃんは外見だけでなく、雰囲気もお祖父様に似ているわね。お祖母様を大切にされている様子を見て、憧れを抱いていた女学生は多かったのではないかしら」

 微笑みながら、視線を交わすイリスとルイーズ。家族の話を聞いて、どうやら少しだけ気持ちを持ち直すことができたようだ。

「リザちゃん、話しの途中でごめんなさい。ルイーズちゃんがこのまま話を聞けるようなら、続けてもらえるかしら」

「はい。イリス様、ありがとうございます。ルーちゃん、先ほどの続きを話しても良いかしら」
「はい、よろしくお願いします」

 ルイーズの返事に頷き返し、話し始めたエリザベス。


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