ルイーズの献身~世話焼き令嬢は婚約者に見切りをつけて完璧侍女を目指します!~
「気を取り直して……ルーちゃん、次はこちらの方ね。キース・エバンス様、公爵家の御子息で、いつも私たちとこちらの方々との橋渡し役をしてくれている方よ。これからはキース様とお話をさせていただくことが多いと思うわ」
「キース・エバンスだ。よろしく頼む」
「ルイーズです。こちらこそ、よろしくお願いいたします」
こちらは、一つに結わいた紺色の長髪と、水色の目が涼やかな美人さんだ。三人掛けソファーの奥に座っている、金髪碧眼の貴公子然とした美青年と、顔の作りが少し似ているようだ。
「最後に、こちらはカルディニア王国第一王子のアレックス殿下よ」
「初めまして、アレックス・カルディニアです。どうぞよろしく」
顔は知らなかったが、名前は知っていたのだろう。その名を聞いた瞬間、まさか修道院でこの国の第一王子に会うとは思いもしなかったルイーズは、少しばかり緊張した。
「ルイーズ・ブランです。どうぞよろしくお願いいたします」
ルイーズは、自分の挨拶に納得できなかったのだろう。マナーの授業で習った挨拶を、思い返しているようだ。その時、イリスが皆に声を掛けた。
「さあさあ、自己紹介も済んだようだから、こちらに座ってお話したらどうかしら」
「そうですね。ルーちゃんも緊張したでしょう。ソファーに座ってゆっくり話しましょう」
イリスの提案にエリザベスも頷き、ルイーズをソファーに座らせた。
それまで、ソファーから少し離れたところで黙って様子を伺っていたレアがソファーに近づき、兄であるリオンに話しかけた。
「兄上、さっきはすまなかった」
「ああ、大丈夫だ。怪我の事は気にするな。さっきは、俺もちゃんと話を聞けなくて悪かった。リリーのことは、今度会って話をしよう」
「わかった」
どうやらクレメント兄妹は仲直りをしたようだ。レアは安心したような表情で、ルイーズに向き直ると御礼を伝えた。
「ルーちゃん、兄の怪我を手当てしてくれてありがとう。感謝する」
「私は大したことはしていませんから。でも、お兄様大丈夫そうで良かったですね」
「ああ」
「レアにルーちゃん、そろそろ良いかしら」
「はい」
「すまん」
エリザベスの呼びかけに、ルイーズとレアはこれから大事な話があることを思い出し、皆の方へ向き直った。
「キース・エバンスだ。よろしく頼む」
「ルイーズです。こちらこそ、よろしくお願いいたします」
こちらは、一つに結わいた紺色の長髪と、水色の目が涼やかな美人さんだ。三人掛けソファーの奥に座っている、金髪碧眼の貴公子然とした美青年と、顔の作りが少し似ているようだ。
「最後に、こちらはカルディニア王国第一王子のアレックス殿下よ」
「初めまして、アレックス・カルディニアです。どうぞよろしく」
顔は知らなかったが、名前は知っていたのだろう。その名を聞いた瞬間、まさか修道院でこの国の第一王子に会うとは思いもしなかったルイーズは、少しばかり緊張した。
「ルイーズ・ブランです。どうぞよろしくお願いいたします」
ルイーズは、自分の挨拶に納得できなかったのだろう。マナーの授業で習った挨拶を、思い返しているようだ。その時、イリスが皆に声を掛けた。
「さあさあ、自己紹介も済んだようだから、こちらに座ってお話したらどうかしら」
「そうですね。ルーちゃんも緊張したでしょう。ソファーに座ってゆっくり話しましょう」
イリスの提案にエリザベスも頷き、ルイーズをソファーに座らせた。
それまで、ソファーから少し離れたところで黙って様子を伺っていたレアがソファーに近づき、兄であるリオンに話しかけた。
「兄上、さっきはすまなかった」
「ああ、大丈夫だ。怪我の事は気にするな。さっきは、俺もちゃんと話を聞けなくて悪かった。リリーのことは、今度会って話をしよう」
「わかった」
どうやらクレメント兄妹は仲直りをしたようだ。レアは安心したような表情で、ルイーズに向き直ると御礼を伝えた。
「ルーちゃん、兄の怪我を手当てしてくれてありがとう。感謝する」
「私は大したことはしていませんから。でも、お兄様大丈夫そうで良かったですね」
「ああ」
「レアにルーちゃん、そろそろ良いかしら」
「はい」
「すまん」
エリザベスの呼びかけに、ルイーズとレアはこれから大事な話があることを思い出し、皆の方へ向き直った。