ルイーズの献身~世話焼き令嬢は婚約者に見切りをつけて完璧侍女を目指します!~
 イリスとルイーズが外に出た後、修道院長室に残ったアレックスとキース、リオンとエリザベスにレアの五人が今後について話していた。そこに、医務室からエマが戻って来た。エリザベスがエリーの状態をエマに確認している。

「大丈夫よ、今はぐっすりと眠っているわ。私たちが帰るころには起き上がれると思う。多分だけど、今までルーちゃんのことを心配してても、自分ではどうにもできないから不安しかなかったと思うの。それがここにきて、一気に状況が動いたでしょう。だから張りつめていたものが解けて安心したのだと思うわ」

「そう……一人で抱えていたのね。以前、エリーがルーちゃんを私に紹介したがっていたのは、そういうことね。その時は、婚約解消の助っ人のためだと思っていたわ」

「両方だと思うわ。私もエリーの出すサインに気づかなかった。エリーが侍女科に移ると時、ルーちゃんも一緒だと聞いていたのに、一緒で良かったわねとしか言えなかった。多分あの頃から、エリーなりにルーちゃんを守る環境を作っていたのよね」

「そうね。本人たちには自覚がないし、女学院にいるから上手く隠れているけど、二人共すごい美少女でしょ。卒業して社交デビューを迎えたら、釣書が殺到するわよね。……だから、ルーちゃんのお父様も婚約を急いだのかしら……それも、自分の目の届く近くの男爵家との縁組……万が一、力のことが知られても婚約していれば……ということは、お祖父様がルーちゃんを連れてあちこち巡っていたのも……後継者教育だけではなく、相手を見つける目的もあったのかしら……」

「リザ、今日は冴えているわね。その予想、真相に近いかもしれないわ」

「失礼ね、今日もよ」

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