ルイーズの献身~世話焼き令嬢は婚約者に見切りをつけて完璧侍女を目指します!~
ルイーズとルーベルトの話を聞いていたレアが、二人に話しかけた。

「ルーちゃん、急に訪ねてすまない。私は、ルーちゃんともっと仲良くなりたいと思って、我が家へ誘ってしまったんだ。屋敷には妹が一人でいてね、いつも寂しい思いをさせてしまっている。その妹が、私たちの帰省だけを楽しみに待っているんだ。そこへ、今回はルーちゃんも一緒に行ってくれたら、妹がとても喜ぶと思う。ブラン子爵、どうか長期休暇を我が家で過ごす許可をいただけないだろうか。」

レアの真剣なお願いを聞いて、ルーベルトは迷っているようだ。その様子を後ろから見ていたトーマスがルーベルトに声を掛けた。

「旦那様、奥様達もお呼びいたします。よろしいですね」

「ああ、そうだな……え、たちって、エイミー以外に誰を呼ぶんだ、おいトーマス!」

足の速いトーマスはもう廊下に出ているようだ。

「……失礼いたしました。今、家内も来ますので、少しお待ちください」

ルーベルトに言われて頷くリオンとレア。

しばらくすると、トーマスがエイミーとリアム、そしてミシェルと侍女のローラを連れて執務室へと来たようだ。

リオンとレアに挨拶をする三人。その横では、ローラがルイーズの作ったフルーツケーキと紅茶を並べている。挨拶を終えたエイミーは、二人に着席を促して、ケーキを勧めた

「今日、ルイーズが作ったフルーツケーキなんですよ。よろしかったらお召し上がりになってください」

「ありがとうございます。いただきます」「いただきます」

二人は早速ケーキに手を伸ばした。

「ルーちゃん、美味しいよ」「……とても美味しい」

レアとリオンに、ケーキを褒められて嬉しいルイーズは、はにかみながらお礼を伝えた。その様子を面白くなさそうな顔で見ているルーベルトを脇から小突くエイミー。

「ねえたまのケーキおいしいよね。いつもいっぱいつくってくれるの」

「それは良いな」

「うん!」
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