会えないままな軍神夫からの約束された溺愛
「……ふふ。そうね……旦那様は、恐ろしい二つ名のあるほど強い将軍だもの……本当に、生きていてくれれば、良かったのに」

 心から、そう思う。夫が生きて居てくれたなら、私がここまで思い悩むことだってなかったはずだ。

 義母からだって、守ってくれた。

「奥様……」

 生きていれば……私はこれまでも、何度も何度もそう思った。

 けど、何年も前に亡くなったお母様が生き返るはずもなくて、会う前に亡くなってしまった夫も蘇って助けてくれるはずもない。

 だから、私はここから自分の手で抜け出さなくては……白馬に乗った王子様なんて、どこにも居るはずもなく、誰も助けてなんてくれないのだから。

 ぽたりと地面に涙が落ちた。

 こんな悲しい日々も、もう少しで自分の手で終わりにする。

 自分の手で、幸せになる。



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