会えないままな軍神夫からの約束された溺愛
 敵を欺くには、まず身内から。素人の私が彼が生きていると知っていて、上手く嘘をつけたとは思えない。

 だから、これで良かったのだ。生きていると知らなかったから、再婚相手まで探しているところだったけれど。

「……しかし、俺が何より救いたかったのは、お前……俺の妻、ブランシュだ。もし、敗戦すれば君は将軍の妻として、どんな目に遭うかわからなかった。だから、どんな汚い手でも使ってでも勝つしかなかった」

 真摯な光を放つ青い目に、嘘は見えない。

「アーロン」

 妻の私を守るために、彼はどんな手でも使って、勝利して帰って来てくれた。

「お前ごと……この国を、死に物狂いで守って来た。辛い思いをさせたことを、許してくれとは言わない。ここから、挽回する。だから、俺を怖がらないでくれ……頼む」

 切実な声音の言葉には、疑うところなんて見えない……それでも一気に多くの情報を消化しきれずに、何も言えなかった私は何度か頷くしか出来なかった。



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