メアリー様の初恋事情
1話


◯学校・図書室(夕方)


篁圭介「最終的に選ぶのは山下だから。この先も噂の絶えないメアリー様として生きていく? それとも──」

篁圭介【高1。179cm。黒髪】


圭介「俺と付き合ってメアリー様を卒業する?」


他には誰もいない図書室で真剣な表情の圭介と戸惑った表情の芽愛莉が見つめ合う。



山下芽愛莉「私は……」

山下芽愛莉【高1。164cm。ミルクベージュのロングの髪。スラッとした手足。大人びたビジュアル】


何かを決心したような表情を見せる芽愛莉。




◯学校・朝(⁠登校時間) 高1の1月

話は数時間前へと遡る。


登校してきた生徒たちが、正門から昇降口へと向かって歩いている。

山下芽愛莉もそのうちのひとりだ。



女子生徒、男子生徒が芽愛莉にチラチラと視線を向ける。


男子生徒A「あ、メアリー様じゃん」

前を歩いている芽愛莉に気づいた男子生徒Aは隣を歩く男子生徒Bに話しかける。

男子生徒B「はぁー、一度でいいからメアリー様と付き合いてぇー」

男子生徒Aの肩に手を置きながら芽愛莉を見つめる男子生徒B。


男子生徒A「ばーか。無理に決まってんだろ。メアリー様が俺らみたいな普通の高校生を相手にするわけねーって。並んで許されるのもあいつらぐらいだろ」

男子生徒Aが顎で差した先には女子生徒に囲まれる篁圭介と柳瀬千隼(やなせちはや)の姿。

柳瀬千隼【高1。178cm。茶髪で毛先を遊ばせている】

周りの女子生徒がふたりに声をかけるが、圭介は無視。
千隼だけが手を振り笑顔で応える。


千隼「あ、おはよう。メアリー様」

千隼は芽愛莉を見かけると声をかけた。


芽愛莉「おはよう。柳瀬くん」

千隼の挨拶に芽愛莉は同じように挨拶を返す。

芽愛莉と圭介、千隼の周りだけが別世界のようにキラキラと輝いている。


男子生徒B「ま、眩しくて目が開けられねぇ」

芽愛莉たちのオーラに目を細める男子生徒B。


男子生徒A「あそこだけ別世界だな。つーか、メアリー様って俳優の彼氏と別れて、今は会社社長の愛人やってるらしいぞ」

男子生徒A「それって不倫じゃん。さっすがメアリー様……。柳瀬や篁すら眼中にはないってか」

男子生徒たちは苦笑しながら歩いていく。


◯下駄箱の前

芽愛莉(俳優の彼氏? 社長の愛人? また変な噂が流れてる……)

芽愛莉は整った顔立ちと高校生とは思えない妖艶な雰囲気からメアリー様と呼ばれているが、今まで交際した人数はゼロ。初恋もまだなのだ。


『山下芽愛莉』と書かれた下駄箱の前で右手を付きながらうなだれる芽愛莉。

芽愛莉(はぁー、別世界……か)


◯教室・1年1組


窓側、一番後ろの席に着席する芽愛莉。

先に登校していた中学からの親友・北里舞(きたさとまい)が振り向く。

北里舞【高1。160cm。茶髪のショートカット。耳にはピアス】


芽愛莉「おはよう、舞」

舞「おはよーって、何? また何かあったの?」

芽愛莉の浮かない表情を見て、何かあったのだと察する舞。



◯学校・外廊下(教室の窓側にある外の廊下)

他の人に話を聞かれないように外廊下へと移動した芽愛莉と舞。

教室のほうを向きながら会話をする。

舞「で? 今度はどんな噂を耳にしたのよ」

紙パックのミルクティーを飲みながら芽愛莉に質問する舞。


芽愛莉「ねぇ、知ってた舞? 私、前は俳優の彼氏がいて、今は会社社長の愛人やってるんだって」


芽愛莉からの突然の告白に舞は飲んでいたミルクティーを吹き出した。

舞「俳優の彼氏はともかく愛人って。さっすがメアリー様」

芽愛莉「笑い事じゃないよ。日に日に噂が大きくなってるんだから」

芽愛莉はため息をつく。

舞「前は他校の先輩とか、大学生の彼氏だったのにね。卒業する頃には石油王と付き合ってるんじゃないの?」

芽愛莉「…………」

自分のことながら、ありそうだと思った芽愛莉は不安げな表情をする。


舞「冗談だってば冗談、それにしてもいい加減な噂だよね。本当のメアリー様は彼氏どころか初恋もまだだっていうのに。……って、ごめん声が大きかった」

教室の中にまで聞こえたのではないかと反省し、口を手で覆う舞。

芽愛莉「聞こえたとしても、誰も信じないよ。私が初恋もまだだなんて」

芽愛莉の表情が曇る。

中学生の頃から『山下さんの彼氏ってどんな人』と聞かれるたびに交際経験がないと伝えてきたが、『えー冗談でしょ?』と返される日々だった。

それだけならまだしも、『純粋ぶってる』と一部の女子から陰口を叩かれることもあった芽愛莉。

芽愛莉「嘘だって言われるのがオチ」

舞「まだあいつの言葉気にしてるの? あんな奴のことなんか忘れなよ。元はといえばあんな奴に会わせた私が悪いんだけどさ」


◯(回想)半年前・カラオケ

カラオケの一室。

テーブルの奥のソファに並んで座る芽愛莉と舞。

芽愛莉「だ、大丈夫かな。舞。変なところない?」

手ぐしで前髪を整える芽愛莉。

舞「大丈夫。それよりも落ち着きなよ」

芽愛莉「む、無理だよ。だって、男の人とまともに話すのなんて小学生のとき以来だもん」


芽愛莉(中学生の頃からこの大人びた容姿のせいか恋愛経験豊富だと勘違いされることが多かった私。気づくと周りからメアリー様と呼ばれるようになり、皆から距離を置かれるようになった。高校に入学しても私はメアリー様のままで、そんな私を気にかけてくれた舞が(よい)ちゃん(舞の姉)を通して大学生との合コンをセッティングしてくれたのだ)


宵が連れてきた大学生3人との合コンがスタート。

自己紹介をして、歌を歌って一通り盛り上がったあとに席替え。

芽愛莉の横に座ったのは、茶髪の少しチャラそうな男だった。

芽愛莉にとってはトラウマの相手。
回想では顔はおぼろげ。


男子A「君がメアリー様だよね? 俺たちの大学にまで噂が届いてるよ。母校にすごく可愛い女の子が入学してきたって」

芽愛莉「あ……えっと」

なんて返せばよいのかわからず、コップを持ったまま俯く芽愛莉。


男子A「芽愛莉ちゃんなら合コンなんか来なくても簡単に彼氏つくれるでしょ。あ、もしかして高校生は飽きちゃった?」

男Aがソファに腕をかけて芽愛莉との距離を縮める。

芽愛莉「い、いえ。あの……私、誰とも付き合ったことがなくて」

男子A「いやいや、その見た目で今まで彼氏いたことないって嘘でしょ。俺は別に芽愛莉ちゃんが恋愛経験豊富でも気にしないよ?」

芽愛莉の言葉を嘘だと決めつけた男子Aは片方の口角だけあげていやらしく微笑んだ。

(回想終了)


◯学校・外廊下


芽愛莉(私の言葉は信じてもらえなかった)


舞「あのときは本当にごめんね」

舞が顔の前で両手を合わせる。

芽愛莉「舞は何も悪くないよ。私の方こそせっかく宵ちゃんがセッティングしてくれたのに途中で帰っちゃってごめんね」

舞「いいの、いいの。まさかお姉ちゃんの友達の連れがあんな人たちだとは思わなかったよ」

宵『ごめ〜ん、芽愛莉ちゃん。舞』

宵が謝ってる様子の絵。

芽愛莉「はぁ、私はただ普通に恋がしたいだけなのに……」

壁にもたれてため息をつく芽愛莉。


舞「メアリー様の噂を鵜呑みにして芽愛莉の言葉を信じないような男なんてこっちから願い下げでしょ?」

舞が自信たっぷりに笑う。


芽愛莉「舞……」


舞「私はー遠野(とおの)なんていいと思うな♡」

舞は視線を教室の中で友達と談笑している遠野へと移す。

芽愛莉「なっ、なんで……!」

芽愛莉は密かに同じクラスの遠野が気になっていた。

その事実を舞が知っていたことへの驚きと焦りで顔を赤くする芽愛莉。

舞「隠してるつもりだったの?」

芽愛莉「す、好きとかじゃないから。ただ話しやすくていい人だなって」



芽愛莉(遠野くんは12月に転校した前田くんの代理で図書委員になり、今は私と一緒に図書委員の仕事をしてくれている。私のことをメアリー様じゃなくて、山下さんと呼んでくれる男の子)

遠野『山下さん。返却された本、棚に戻してくるね』

本を持って微笑む遠野。


遠野『山下さんはこっちお願いできる?』

重たいダンボールは自分が持ち、芽愛莉には数冊の本を渡す遠野。

遠野の優しい行動が次々と脳裏に浮かぶ芽愛莉。


舞「芽愛莉が私に隠し事できるわけないでしょ」

舞が自身ありげに言う。

舞「今日は月曜だし、何か進展あったら教えてね」

芽愛莉「そ、そんな何も起きないよ」



 


◯学校・教室(放課後)

図書室へ向かおうとする芽愛莉を舞が呼び止める。


舞「じゃあ、何か進展があったら教えてね♡」


舞は鞄を持ち、背伸びをしながら芽愛莉の耳元で話しかけた。

芽愛莉「な、何も起きないってば」

舞は芽愛莉に手を振り教室を後にする。


遠野「山下さん、行こっか」

遠野が芽愛莉の背後から声をかける。

芽愛莉「……へ?」

遠野「図書室……あれ、今日って俺たちが当番だよね?」

芽愛莉が不思議そうにするから首を傾げる遠野。


芽愛莉「あ、図書室! う、うん。私たちが当番で合ってるよ」

芽愛莉(も、も〜! 舞が変なこと言うから)


廊下を歩きながら芽愛莉は遠野の顔を盗み見る。

芽愛莉(今日、少しでも話せたらいいな──)


◯学校・図書室(放課後)


芽愛莉(って、それどころじゃなかった!)


受付で本を借りにきた人と返却にきた人の対応をする芽愛莉と返却された本を戻したり、本棚を整理したりする遠野の忙しない様子。

下校のチャイムが鳴る。

遠野「今日はいつもより人が多くて忙しかったね」

芽愛莉「そ、そうだね」

図書室にいた生徒は下校。

芽愛莉「私たちも最後のチェックして帰ろうか」

忘れ物や残っている生徒がいないか確認しようと席を立った芽愛莉に遠野が話しかける。


遠野「あのさ……山下さん」

芽愛莉「どうしたの?」

遠野はゴクリと唾を飲む。

そして、気まずそうな表情をして話しはじめた。



遠野「その……メアリー様の噂を聞いたんだ」

遠野の口からはじめて出た“メアリー様”という言葉と噂の一言に驚く芽愛莉。

遠野の耳にまで噂が届いてるとは思わず、訂正しようとする芽愛莉。


芽愛莉「あれは……!」

遠野「不倫はやめたほうがいいよ。俺なんかが口出しするのは間違ってるかもしれないけど、山下さんは大切なクラスメイトだから」

遠野は山下のためだと思って言っている。

だけど、芽愛莉は遠野が噂を信じていたことにショックを受けて、続きの言葉が耳に入ってこなかった。

遠野「〜〜で、〜〜と思ってるんだけど、山下さん?」

芽愛莉「あ、あの、遠野くん」

芽愛莉の言葉を遮るように図書室のドアが開く。

遠野と仲の良い男子生徒がひょっこりと顔を覗かせる。


三田「遠野終わったー? 早く飯食いに行こうぜ」


遠野「あとは戸締まりだけ」


芽愛莉「遠野くん。戸締まりなら私がするから先に帰っていいよ」

遠野「え? でも、」

芽愛莉「いいから、いいから」

無理に笑顔を作って、先に帰るよう促す芽愛莉。


遠野「……ありがとう」

遠野は先に帰ることと、会話が途中で終わったことに申し訳なさを感じながら出ていった。


遠野が去り、図書室でひとりになった芽愛莉は悲しさがこみ上げてくる。

芽愛莉「不倫はやめたほうがいい……か。遠野くんもあの噂信じてたんだ」

芽愛莉の瞳に涙が浮かぶ。


芽愛莉「遠野くんにはメアリー様って呼ばれたくなかったな」

芽愛莉が涙を拭おうとしたとき、物陰からひとりの男子生徒が姿を現した。


圭介「それ、ひとりこど? それとも聞いてほしくてわざと声に出してるの?」

ひとりだと思っていた図書室から声がしてビクッと肩を震わせる芽愛莉。

片方の手をポケットに入れて気だるそうに立つ圭介。


芽愛莉(まだ人が残っていたんだ……! 確か柳瀬くんといつも一緒にいる……篁くん……!)

ぼんやりと千隼の隣を歩く圭介を思い出す芽愛莉。


芽愛莉「ま、まだ残っている人がいるなんて知らなくて」

涙を拭う芽愛莉。


そのとき、廊下から女子生徒の話す声と足音が聞こえた。

女子生徒A「あ、まだ開いてるっぽい」

女子生徒B「鍵取りに行く手間が省けてよかったね」

芽愛莉(誰か入ってくる……⁉)

圭介「ちょっと大人しくしてて」


芽愛莉の腕を掴み自分のもとへと抱き寄せる圭介。

芽愛莉(たっ、篁くん──?)


忘れ物を取りにきた女子生徒Aと付き添いの女子生徒Bが図書室へと足を踏み入れる。

女子生徒A「よかったー。あった」


涙目の芽愛莉を抱き寄せて、女子生徒からみえないようにする圭介。

女子生徒A「⁉」

女子生徒Aは女子を抱きしめる圭介に気づいて目を見開く。

圭介「……なんか用?」

圭介は不機嫌そうな表情で女子生徒Aを見る。

女子生徒A「わ、私たちは忘れ物を取りに来ただけで。ねっ?」

女子生徒Bが何度も縦に頷く。

机の上に置いたままだった筆箱に手を伸ばす女子生徒A。

圭介「用が済んだならさっさと帰ってくれる?」

女子生徒A「し、失礼しました!」

女子生徒ふたりは顔を真っ赤にして急いで図書室から出ていった。

廊下から足音と女子生徒の会話が聞こえる。

女子生徒A「い、いいい今の篁くんだよね?」

女子生徒B「うん。柳瀬くんはしょっちゅう女の子といるけど、篁くんが女の子と一緒にいるって珍しくない? 篁くんって女嫌いじゃなかったの?」

女子生徒A「実は裏では篁くんのほうが女遊び激しかったりして」

図書室にまで声が届いているとは知らず、好き勝手話す女子生徒たち。

女子生徒の声が聞こえなくなり、芽愛莉から離れる圭介。


芽愛莉「ど、どうして」

芽愛莉(抱きしめられたの?)


圭介「え? ああ、俺がメアリー様を泣かせたと思われたら面倒なことになるだろ」

圭介は親指で芽愛莉の涙をそっと拭う。

芽愛莉(言い方はそっけないけど、私が泣いてるところを隠してくれたんだよね?)


芽愛莉「……優しいんだね篁くんって」


圭介は予想外の言葉に驚き、呆れた顔をする。

圭介「ちゃんと聞いてた?」


芽愛莉「聞いてたよ?」

首を傾げる芽愛莉に圭介はため息をつく。


圭介「あのさ“遠野くんにはメアリー様って呼ばれたくなかったな”って、あれどういう意味? あんた図書委員の男が好きだったのか?」

芽愛莉(そ、そうだ。篁くんには全部聞かれてたんだ……。多分、噂のことも)


芽愛莉「私とも普通に話してくれる優しい人だから気になってたって感じ……かな。そんな遠野くんが私の噂を信じていたこと、彼の目に私が恋愛経験豊富で常に彼氏が途切れない……そんなメアリー様として映っていたことがショックで」

芽愛莉(私、初めて話す相手にどうしてここまで正直に話しているんだろう)


圭介「…………」


芽愛莉「あ、噂ってね、私が社長の愛人だって話。噂はデタラメで本当は誰とも付き合ったことがないんだけど……って、信じられないよね」

髪を耳にかけながら自嘲する芽愛莉。


圭介「なんで? 信じるよ」

圭介は真剣な表情で言う。

芽愛莉「どうして……」

今まで否定しても信じてもらえなかった経験を次々と思い出す芽愛莉。

圭介「俺は噂なんかより今、目の前にいる山下の言葉を信じたいと思ったから」

圭介の言葉に再び涙を流す芽愛莉。

芽愛莉「ご、ごめん。今まで噂を否定しても信じてもらえなかったから」

芽愛莉(今日は泣いてばかりだ)


圭介「メアリー様って泣き虫なんだな」

それまで無表情だった圭介が優しく微笑む。

芽愛莉の心臓がトクンと音を立てた。

芽愛莉(な、なんだろう今の)


圭介「あのさ、噂を否定したいなら俺にいい考えがあるんだけど」


芽愛莉「い、いい考え?」


圭介「校内の人間と堂々と付き合って、噂自体をかき消せばいいんだよ」

圭介の提案は芽愛莉にとって目から鱗だった。

芽愛莉「すごくありがたい提案なんだけど、その付き合うってことが私にはハードルが高くて」

人差し指を合わせてもじもじさせながら話す芽愛莉。

芽愛莉(だって、それってまずは恋をすることからはじめないといけないでしょ? 噂のメアリー様のままで)

圭介「あのさ、人の話は最後まで聞いたほうがいいと思うよ」


芽愛莉「へ? あ……はい」

圭介「それ、俺としない?」


芽愛莉「え?」

圭介「俺と付き合ってみない?」



芽愛莉(わ、私が篁くんと付き合う……⁇)


芽愛莉「どうして、篁くんがそこまでしてくれるの?」

芽愛莉(篁くんが私と付き合うことにメリットなんてないはずだ)

圭介「俺は女が嫌いで山下と付き合えば平和になる。まぁ、そんな感じで思っててくれたらいいよ」

芽愛莉(そ、そんな適当でいいの?)

芽愛莉の頭は?だらけ。



圭介「最終的に選ぶのは山下だから。この先も噂の絶えないメアリー様として生きていく? それとも──」


真剣な表情の圭介と戸惑った表情の芽愛莉が見つめ合う。

圭介「俺と付き合ってメアリー様を卒業する?」


芽愛莉「私は恋愛経験豊富で常に彼氏が絶えない。そんなメアリー様を卒業して恋がしたい」


芽愛莉(だけど、いいのかな。そのために篁くんと付き合うなんて)

圭介「じゃあ決まりだな」


芽愛莉(篁くんはそう言うと優しく笑った──)

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