月の光

第1章



補導されないように少し濃いめのメイクをし


夜中の街を目的もなく1人歩く



日が昇るまで家には帰らない。
いや、帰れない。




私の母親は私の事が嫌いみたいだ。
「あんたなんて産むんじゃなかった。あんな奴の子供なんて。顔も見たくない」




1度酔っ払って私に発した言葉

忘れもしない朔の日の14歳の誕生日に言われた一言
その日から朔の日は嫌いだ。



スナックのママをやっている母親は
店じまい後必ず家に男を連れてくる。
そして「朝まで帰ってこないで」と一言私に告げる




朝方に帰りシャワーを浴びて準備をして学校へ行く
そして帰ってから少し寝て濃いめのメイクをして
母親のスナックで沙那というキャストとして働く

そして2時に店が終わるとまたいつもの一言「朝まで帰って来ないで」


だいたい毎日こんな生活
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