月の光
今日も朝日が昇るまでは行く宛てもなくゆっくり歩く
???「おねーさん、1人でこんなとこで何してんの?」
若めの酔っぱらいが話しかけてきた。
もちろん足を止めることも無くそのまま歩く
沙羅「…………」
???「えー?無視ー?1人でこんなとこ歩いてたら危ないよー?」
沙羅「…………」
???「ねぇーってばー」
沙羅「……煩い、しつこい」
???「やっと口聞いてくれたと思ったら酷いなぁ〜」
沙羅「なに。なんか用?」
???「いや、1人でこんな時間に歩いてたら危ないよ?」
沙羅「別にあんたに関係ないでしょ。」
???「名前なんていうの?」
沙羅「……沙那」
何となく本名は教えたくない
???「じゃな沙那ちゃん今からどっかいこーよ
沙羅「はぁ?なんであんたと?嫌なんだけど」
???「どーせ暇なんでしょー」
沙羅「行かない、どうせ日が昇ったら帰るし」
???「じゃあ連絡先教えてよ」
沙羅「嫌だよ、じゃあね、もう帰るから。」
???「ケチ〜じゃあ今度会ったら教えてね〜」
もう会うことないし、なんなら絶対次会っても覚えていないだろう
日が昇る頃だろうと思い
2駅先の自宅方面へ歩き出した
家へ着くと
「あんたもう帰ってきたの?」
と嫌そうに聞いてくる母親を無視し
そのまま部屋に入る
毎日文句しか言わない母親に嫌気がさす
母親に私の名前を呼ばれた記憶が殆ど無い
店では沙那、家ではあんた呼ばわり
今更呼ばれた所でなんとも思わないけど