なぜか軟禁されていました
12
ーコンコンー
誰だろう?
誰も訪れる者などいるはずないのに、ノックの音がする。
リィーンは、そっとカーテンの隙間から外の様子を窺った。
が、
扉のすぐ前に立っているようで、部屋の窓からは死角で見えない。
コンコン
コンコン
と何度もノックの音がする。
誰かも分からないのに、扉を開ける勇気は出なかった。
このまま居留守を決め込もうか、思い悩む。
けれど、ノックの音が鳴り止むことはない。
先程よりも扉を叩く音が強くなっている。
急ぎの用件なのかもしれない
でも、一体誰が?
こんな小屋に泥棒が訪れるとも思えないけど……
そもそも泥棒はノックなどしないかな
あ、留守かどうか確かめているのかもしれない
どうしよう、
何か武器になるようなものもないし。
単に道に迷った人だという可能性もあるかな……
勇気を出して、少しだけ扉を開けて外の様子を確認することにした。
危険を感じたたら、すぐに扉を閉めよう。
ゆっくりと少しだけ扉を開けてみる。
すると、そのまま勢いよく外側から扉を開かれてしまった。
「あっ!」
突然の出来事に、思わずバランスを崩してしまった。
倒れると思い、思わず目を閉じる。
痛く……ない?
それどころか、ゴツゴツとした感触がする。
この感触はいったい何だろう?と、ペタペタと触る。
何となく人の身体のような気がして、ゆっくりと目を開けた。
転びそうになった所を、誰かが抱き留めてくれたようだ。
「おっと!大丈夫か? リィーン? そ、そ、そんなに触られるとくすぐったい…」
聞き慣れた声が聞こえて、おそるおそる目を開けてみる
「カイン様?え?あ、あ、あの?」
リィーンは、カインに抱きつくような姿勢になっていた。
恥ずかしくなり、ボッと顔中が真っ赤に染まる。
あろうことか、カイン様の腹筋を触っていたなんてっ
リィーンは、慌ててカインから離れようともがく。
「慌てなくていい」
カインは動揺するリィーンを、落ち着かせるようにゆっくりと身体を支える。
リィーンが体勢を整えるのを確認すると、そっと腕を離した。
「変わりはないか?」
「あ、ありがとうございます。え?」
「いや……先程ノックしたのに、なにも返事がなかったもので、具合でも悪いのかと思った。
しつこく叩いてすまない」
「あ、す、すみません!それは━━」
今まで誰かが来る事がなかったので、怖くて開けられなかったとはとても言えない。
でも、怪しい人ではなくて良かった。
カイン様で良かった。
「元気そうで安心した。その、良ければ、入ってもいいだろうか?」
「え? 何か私に用事ですか?』
「いや……用事というほどでは…」
カインは歯切れが悪く口籠っていた。
どうしたのだろう?
改めてカイン様を見つめる。
黙っていたらちょっとこわく見えるけど、
頼りがいのある年上の男性だ。
少し日焼けした肌も健康的だし、
思わず見惚れてしまう。
話し方は不器用だけれど、言葉の節々に優しさを感じる。
とても素敵
でも、
今の自分は若い女の子の容姿だった。
きっと、カイン様は頼りない娘が、一人で暮らしていることを心配しているのね。
中身は見た目より年上なのだけど。
いけない、つい見つめ過ぎてしまった。
「どうぞ」
特に断る理由もないので、カイン様をそのまま家へ招き入れた。
ドキドキと心臓の鼓動が早くなったのは、驚いてしまったせいだろう。
誰だろう?
誰も訪れる者などいるはずないのに、ノックの音がする。
リィーンは、そっとカーテンの隙間から外の様子を窺った。
が、
扉のすぐ前に立っているようで、部屋の窓からは死角で見えない。
コンコン
コンコン
と何度もノックの音がする。
誰かも分からないのに、扉を開ける勇気は出なかった。
このまま居留守を決め込もうか、思い悩む。
けれど、ノックの音が鳴り止むことはない。
先程よりも扉を叩く音が強くなっている。
急ぎの用件なのかもしれない
でも、一体誰が?
こんな小屋に泥棒が訪れるとも思えないけど……
そもそも泥棒はノックなどしないかな
あ、留守かどうか確かめているのかもしれない
どうしよう、
何か武器になるようなものもないし。
単に道に迷った人だという可能性もあるかな……
勇気を出して、少しだけ扉を開けて外の様子を確認することにした。
危険を感じたたら、すぐに扉を閉めよう。
ゆっくりと少しだけ扉を開けてみる。
すると、そのまま勢いよく外側から扉を開かれてしまった。
「あっ!」
突然の出来事に、思わずバランスを崩してしまった。
倒れると思い、思わず目を閉じる。
痛く……ない?
それどころか、ゴツゴツとした感触がする。
この感触はいったい何だろう?と、ペタペタと触る。
何となく人の身体のような気がして、ゆっくりと目を開けた。
転びそうになった所を、誰かが抱き留めてくれたようだ。
「おっと!大丈夫か? リィーン? そ、そ、そんなに触られるとくすぐったい…」
聞き慣れた声が聞こえて、おそるおそる目を開けてみる
「カイン様?え?あ、あ、あの?」
リィーンは、カインに抱きつくような姿勢になっていた。
恥ずかしくなり、ボッと顔中が真っ赤に染まる。
あろうことか、カイン様の腹筋を触っていたなんてっ
リィーンは、慌ててカインから離れようともがく。
「慌てなくていい」
カインは動揺するリィーンを、落ち着かせるようにゆっくりと身体を支える。
リィーンが体勢を整えるのを確認すると、そっと腕を離した。
「変わりはないか?」
「あ、ありがとうございます。え?」
「いや……先程ノックしたのに、なにも返事がなかったもので、具合でも悪いのかと思った。
しつこく叩いてすまない」
「あ、す、すみません!それは━━」
今まで誰かが来る事がなかったので、怖くて開けられなかったとはとても言えない。
でも、怪しい人ではなくて良かった。
カイン様で良かった。
「元気そうで安心した。その、良ければ、入ってもいいだろうか?」
「え? 何か私に用事ですか?』
「いや……用事というほどでは…」
カインは歯切れが悪く口籠っていた。
どうしたのだろう?
改めてカイン様を見つめる。
黙っていたらちょっとこわく見えるけど、
頼りがいのある年上の男性だ。
少し日焼けした肌も健康的だし、
思わず見惚れてしまう。
話し方は不器用だけれど、言葉の節々に優しさを感じる。
とても素敵
でも、
今の自分は若い女の子の容姿だった。
きっと、カイン様は頼りない娘が、一人で暮らしていることを心配しているのね。
中身は見た目より年上なのだけど。
いけない、つい見つめ過ぎてしまった。
「どうぞ」
特に断る理由もないので、カイン様をそのまま家へ招き入れた。
ドキドキと心臓の鼓動が早くなったのは、驚いてしまったせいだろう。