なぜか軟禁されていました

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パンを少し食べると、今日も庭に立つ。

日差しが強く、暑い季節になってきた。


外に立つのも体力がいる。

日焼けした腕を見る。

『ガリガリだね、私…』

太陽に照らされて、汗が吹き出す。

動かずに体力の消耗を抑えてるつもりだけれど、照りつける太陽によって容赦なく私の体力は奪われていく。

『やばいかも…』

頭がクラクラしてきて、視界がボヤけ始めた。
 
目がチカチカしてきて…



とうとうバタンと地面に倒れてしまった。


「おい!大丈夫か?
これを飲んで。 」

誰?

誰かの声が聞こえる

お迎えが来たのかな…

「ゴホッゴホッ」

何かが口の中に流れてくるのを感じる。
冷たくて、心地よい。

でも、苦しくて、むせてしまう。

「大丈夫か?
焦らずゆっくり飲んで。」


とても優しい声がする。

誰かが冷たいお水を飲ませてくれているようだった。


とても美味しい。

ふわっと、抱き上げられたような浮遊感を感じたけれど、そのまま気を失ってしまった。


なんか気持ち悪い。

暑さと体のだるさを感じながらも、ゆっくりと目を開けた。

わたしは、自分のベッドの上にいるようだった。

外にいたはずなのに、いつの間にここまで戻ってきたのだろう。

不思議に思いながら、起き上がろうとしたけれど、

きつい、
やばい…


バランスを崩して、ベッドから落ちてしまった。

床に落ちた衝撃による痛みと、言いようのないきつさと、気分の悪さから、床から起き上がることもできなかった。

まぁ、しばらくこのままでもいいか。
少し休めば回復するかもしれないと思い、このまま眠ろうと思った。


すると、ドタドタと誰かが急いで駆けてくる音が聞こえる。足音はどんどん近づいてくる。

不思議に思っていると、誰かが私の体を抱き上げて、ベッドの上に寝かせてくれた。

『???』

「大丈夫か?どこか痛むか?」

優しい声が聞こえる。誰かがいるはずなんてないのに。

重い瞼を持ち上げてみると、目の前には男性の姿があった。

『!』

だ、だれ??

「顔色が悪い。ベッドから落ちないようにここにいる。ゆっくり休むといい」

男性は、水に濡らしたタオルで顔を拭いてくれた。
冷たいタオルの感触は、火照った顔にはとても気持ち良かった。

心地よいタオルの感触に安心して、そのまま眠ってしまった。







 
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