【完結】雪溶けの契約結婚

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「ありがとうございます…」

「いいえ、これは契約通りなのでお礼は不用ですよ。ニコッ」

そして、リムジンは練馬のアパートに着いた。

「1人で大丈夫ですか?」

「はい、1人でいいです。
すぐ戻りますから。」

「分かりました。
いってらっしゃい。」

私はアパートに上がると、小さなボストンバッグに必要な物だけ詰めた。

携帯電話、充電器、財布、通帳、印鑑…

10分ほどで用意を済ませると、調月さんのリムジンに戻った。

「アパートの契約解除は僕がしておきます。
アパートに残った物は処分で構いませんよね?」

「えぇ…
特に大事な物は何も残ってないと思います…」
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