【完結】雪溶けの契約結婚

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「もちろん、無理矢理に襲う気は今のところありませんが…」

調月さんが言う。

今のところ…か…

やはり、私が選んだ契約結婚は茨の道のようだ。

「私も大人ですから覚悟はあります。
あなたと契約結婚すると決めた時に。」

「安心しました。
まぁ、ゆっくりと進んで行きましょう。」

「あ…!」

その時、私は思い出した。

「どうかしましたか?」

「あの…
私が寝てる間に手を握りませんでしたか…?」

「…いいえ。
…夢でしょう、それは。」

「そうですか…」

やはり気のせいだったのか。

そんな話をして、私達はディナーを済ませると、それぞれお風呂に入り眠りについた。
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